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フィールド・イノベーション(1)
TPSをベースとした
携帯電話の開発革新 2
富士通の携帯電話事業を担当するモバイルフォン事業本部では、お客様起点の品質改善意識の高まりとともに、お客様に高い価値を感じていただける魅力溢れる商品開発を目指して開発現場のフィールド・イノベーションに取り組んでまいりました。前号でご紹介した「人とプロセスの改善」活動に引き続き、今回は「IT活用による開発効率化の取り組み」と今後の展開についてご紹介いたします。
なぜIT活用なのか
前回ご紹介した「人とプロセスの改善」活動によって、人の先入観や慣習に起因するムリ・ムダ・ムラは激減し、開発プロセス全体の整流化が進みました。
しかし、開発現場ではもう一つの大きな課題を抱えていました。それは、設計した製品の検証に膨大な工数がかかること、苦労して開発した製品が量産直前になって思いもよらないトラブルに見舞われ、その対策にさらに膨大な工数を費やしてしまうという現実です。
そこで、まずトラブルがなぜ量産直前にならないと表面化しないのか、なぜ試作段階で発見できないのかに着目して要因の深堀分析を実施しました。その結果、図1に示すように、試作段階では無視できるレベルの作りにくさが、大量に製品が流れ、作業者の技術レベル差が大きい量産ラインでは、製造バラツキとなって現れやすいこと、その本質は、基板や筐体に実装する部品(貼物)点数が多く、複雑な組み立てを強いる設計にあると推定しました。

図2は推定を裏付けるために実施した部品点数に関する他社ベンチマーク例です。競合他社製品に比べ、200~300点も部品点数が多く、特にプリント基板内に実装されるパスコンと呼ばれるコンデンサ類と雑音除去用のフィルタ類、それにケースや構造物に貼り付けるテープ等の貼物類が多いことが特徴的でした。
[図2]部品点数の他社ベンチマーク

これは、従来のカット&トライ的開発手法では十分な信頼性が確保できないため、あらかじめマージンを持たせた設計にしなければならず部品点数が増えてしまう、さらに想定外のトラブルが発生して貼物類で対処せざるを得ない、という現実を反映した結果であると考えられました。
こうした課題を本質的に解決するには、従来のカット&トライ的な開発手法を見直し、シミュレーション等のIT技術を活用した科学的な開発手法で開発の上流段階で設計を最適化し、中流~下流の試作回数や検証工数の削減と、量産直前になって発生するトラブル撲滅を目指すべきであるとの結論に達し、04年下期から本格的に「IT活用による開発効率化」に取り組み始めました(図3)。
[図3]科学的検証手法導入までの経緯

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