Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

年頭挨拶

ITソリューションから
ビジネスソリューションへ

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富士通株式会社
代表取締役社長
黒川 博昭

あけましておめでとうございます。読者の皆様方には平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
昨年は、欧米での持続的成長や、中国を中心とするアジア地域の力強い成長にも牽引され、当社の事業環境は、比較的堅調に推移することができたと思っております。国内経済も、原油価格や原材料価格の高騰の影響が懸念される中で、力強さには欠けるものの、輸出企業を中心に好調を持続し堅実に推移しました。しかし、昨年、米国に端を発したサブプライムローン問題による金融市場の混乱の影響が、今後、実体経済に世界的に影響を及ぼすとともに、1バーレル 100ドル近い水準で高止まりにある原油価格の影響もあり、先行きへの不透明感は高まると考えております。国際金融機関でも2008年の世界経済成長率の予測を引き下げる動きが出てきております。そういった意味で、2008年は、経済環境の変極点へと移り変わっていく年になるのではないかと考えております。
このような不透明な経済環境の中で、経営としては、スピードがますます重要になると考えております。そして厳しい環境の中でも、利益と成長を実現できるよう、引き続きグローバルでのビジネス拡大を進めるとともに、富士通のビジネス領域を、従来のITソリューションから、お客様の業務に入り込んだビジネスソリューションへと強力に推し進め、お客様のパートナーとして、より一層、お客様にとっての価値ある商品・サービスをご提供できるように、スピードをもって富士通を前進させたいと決意を新たにしております。

ITソリューションからビジネスソリューションへ

いまから40年ほど前、かつてコンピュータが世にあらわれたとき、私たちは、まずお客様の業務を理解し、分析することからはじめ、業務の不具合は何だろう、非効率は何だろうと調べて、お客様の業務をより良くするためにコンピュータを活用するということに取り組んでまいりました。我々の行動の原点には、常に、お客様の業務があったということです。しかし、IT化の進展とともに、ITへのビジネスの依存度が高まり、一方でITはブラックボックス化し、いつの間にか、お客様自身も、業務プロセスや現場の動きが分からなくなっています。このような状況において、我々が、従来通りITだけに着目したご提案を続けたとしても、真にお客様が求めている、経営や業務の改善は難しいと考えております。私がお客様の経営者に対していつも申し上げていることは、「IT化をする以前に、業務に、改善すべき点がたくさんありますね」ということです。現在の業務を、そのままITに写像したとしても、人とITとプロセスからなる現場業務の改善はできないからです。このような環境の中で、我々のビジネス領域を、いままでのITソリューション中心のビジネスから、お客様の事業や業務を改善するビジネスソリューションへと拡げていくことが、より強く求められていると考えております。

お客様との懸け橋、フィールド・イノベータの挑戦

お客様にビジネスソリューションをご提案するためには、我々が、お客様の業務に精通し、強いリレーションを持った、お客様の真のパートナーになることが必要だと考えています。ただ、現在のSEを中心とした体制のまま、いくら続けたとしても、SEには、IT化のノウハウは持てても、リアルな業務経験は積めないわけですから、お客様との間にどうしてもギャップが生まれてきます。そのときに、お客様の業務を理解してギャップを埋め、お客様の経営者や現場の方々と一緒に、お客様の業務目線で、経営や業務を改善していける新しい人材をつくることが必要だと考えております。それによって、お客様フロントラインを革新してまいりたいと思います。富士通グループの中には、開発、調達、製造等から人事、経理に至るまで、様々な現場があります。そこで実践されている業務ノウハウは、良い点、悪い点を含め、お客様にとっても、大変役立つ、価値のあるものであると考え、昨年、社内の様々な現場経験者を「フィールド・イノベータ」として育成するプロジェクトをスタートさせました。このフィールド・イノベータが、通常のコンサルタントと違うのは、ビジョンや理想像からスタートするのではなく、現場の実情をみて、現場の見える化を進め、それをお客様と一緒に改善する、それを継続的に続けることで、高いレベルの改革を実現させていくということです。それは、従来と違って、ITの要件を検討する以前に、業務視点での改善というところからお客様と一緒に検討を行うというビジネスのプロセス革新でもあると考えています。
そして、重要なのは、チームという発想です。フィールド・イノベータが一人でやるというのではなく、コンサルタント、営業/SE、見える化技術の専門家を含めたチームで進めていくということです。
そして、富士通自身がフィールド・イノベーションに取り組み、それをリファレンスサイトとし、その成功体験、失敗体験をもって、お客様現場に深く入り込み、継続的に現場改善をお手伝いする役割を担ってまいります。そういう意味で、フィールド・イノベータの育成は、富士通がビジネスソリューションへ領域を拡大する重要なカギになると考えています。今年は、フィールド・イノベータを実践の場に投入し、お客様との間に、強いリレーションの構築を目指す取り組みに挑戦してまいります。

フィールド・イノベーションを支えるサービスの工業化

フィールド・イノベータの投入により、お客様のフロントラインを革新するとともに、従来のITソリューションについても、より効率的に、短納期で、品質の高いサービスをお客様にご提供できるようインフラの標準化、工業化を推し進めてまいります。一つは、ITインフラの提案スタイルの革新です。これは、富士通における、約9,000の商談を分析し、その中からニーズの高いテーマ6分野、26種類を抽出の上、コスト・信頼性・性能・運用・管理等の要件を考慮し、6段階のレベルに型決めしたものです。そして、それぞれの分野の連携を見える化し、さらに、プラットフォーム選定基準、ネットワーク選定基準、セキュリティ基準等のIT標準化基本方針の確立にまで立ち戻った全体最適化の提案を整備してまいりました。この型を用いてお客様と会話をすることで、お客様のシステムが現在どの段階にあるか見えるようになり、これからどの方向を目指せばよいのかということを、容易に判断できるようになります。そして、そういった提案を迅速に実現するために、実際のインフラのデリバリーの工業化も進めております。従来、富士通グループ内に点在していたインフラ構築に関連する技術者を、富士通エフサスに集約し、「インフラテクノロジーセンター」として発足させました。いままでそれぞれのインフラSEに依存していたインフラサービスを一箇所に集めて、ノウハウを集約し、プロセスを標準化し、工業化することで、ムダを省き、低コスト、短納期、高品質のインフラをご提供することを目的に進めてまいります。

ITが、ますます、お客様の経営と一体化する中で、我々はもう一度、IT化の原点に立ち戻り、新しいチャレンジを通じて、お客様の真のパートナーを目指して、お客様とともに成長し続けられる企業になりたいと考えております。今年も、倍旧のご指導、ご鞭撻を賜りますようにお願いして、年頭の挨拶とさせていただきます。

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