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業務システムの“見える化”を実現する
「システム可視化技術」
ITシステムが社会のインフラとして浸透し、その重要性が高まった一方で、複雑化による運用管理の難しさが増しています。この問題への取り組みの一つとして、富士通研究所では「システム可視化技術」の開発を進めてきました。「システム可視化技術」は、言ってみればITシステムの「ホームドクター」です。システムの動作タイミングやフローを詳細に診断して普段の挙動と比較し、状態をダッシュボードでグラフィカルにリアルタイム表示します。ここでは、「システム可視化技術」の仕組みと今後の展開についてご紹介します。
運用管理技術への新たな要求
ITシステムのオープン化・マルチベンダー化に伴い、一つの業務が、複雑に絡み合った多数のブラックボックスを通って処理されるようになってきました。そのため、多種多様なコンポーネントの不具合を原因特定することが難しく、改善を施しても依然として性能が変化しない、トラブルシューティングに時間を要してサービスに影響してしまうといった問題が起こっています。また、企業のアカウンタビリティ(説明責任)が求められる中、ITシステムの障害発生時に顧客へ対して正確かつ迅速な回答をするといったことも、システム運用者の責務となってきています。
「システム可視化技術」の仕組み
富士通研究所では、システム運用者の負荷を軽減し、システムを安定稼働させることを目指して、ITシステムの動作を外部から観測してリアルタイムで“見える化”する「システム可視化技術」を業界で初めて開発しました。図1にシステム可視化の仕組みを示します。
まず、対象となるシステムのネットワーク機器(ルータやスイッチ等)を行き来する通信メッセージを、ポートミラーリングと呼ばれる技術を使って外部から観測します。この観測ではサーバにエージェント等を仕込む必要がないため、導入が容易で、かつ対象とするサーバやOSを選ばないというメリットがあります。次に、観測したメッセージから必要な部分を取り出し、システム内部で進行中の業務トランザクションの処理状況を読み解きます。この時、あらかじめデータマイニング技術によって取得した普段の動作タイミングやフローを業務と紐付けた「挙動モデル」をもとに、現在の業務トランザクションを一つひとつ判断していきます。こうして得た情報は、処理内容毎にまとめた統計情報として、オンラインダッシュボードにグラフィカル表示されます。挙動モデルと比較して大きなズレが発見された場合にはアラートを示し、システム運用者は必要に応じて、そこから個別の業務処理にドリルダウンすることにより、問題のメッセージを特定できます。この「どの個所がどの程度ズレているか」という情報こそがシステム運用者に最も重要であり、この差分情報によって的確なアクションを起こすことができます(図2)。
[図2]システム可視化フレームワーク

「システム可視化技術」は、医療に例えるなら患者の体質や普段の状態を熟知している「ホームドクター」と言えるでしょう。「どうもいつもの調子ではない」と診断されれば、その後、さらに詳細な「専門医」として「Systemwalker」や各ミドルウェアの診断機能につなげていくことにより、問題に対する対処を素早く正確に行うことができます。
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