先進ユーザー事例 【基幹システム再構築】
株式会社滋賀銀行様
柔軟性と拡張性に加え堅牢性を評価
次期基幹系システムにLinuxを採用
株式会社滋賀銀行様は、基幹システムを全面的に見直し、2008年1月までに刷新する予定です。その一部である情報系システムは、現在のメインフレームとUNIXサーバの構成から、新たに富士通の基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」+Linuxによるオープン・プラットフォームに切り替えられます。ことさら安定稼働が求められる金融機関において、その信頼性はもとより、柔軟性、拡張性、堅牢性に加え、コスト・パフォーマンスも評価された結果です。
[図1] 滋賀銀行本店
株式会社滋賀銀行様は、滋賀県大津市に本店を構え、近畿地方を中心に134店舗を擁する有力地方銀行です。
次期基幹系システムは、オープン化による開発生産性向上によって、新サービスの提供や経営戦略の立案を柔軟かつ迅速に行うことを目的としました。
「頭取からアドバイスがあった3点、つまり白紙の状態でベンダーや製品を評価するという複眼的視点、技術革新に追従していけるものを選択するという動態的視点、長期にわたってシステムを企画するための人材育成という視点から、情報系システムについては全面オープンへの切り替えを決めました。最終的に「PRIMEQUEST」の採用を決定したのは2005年5月のことで、開発がスタートしてから1年経過しましたが、順調に進んでいます」(藤井氏)。
金融機関の基幹システムは、営業時間中に絶対に停止しない高い信頼性と可用性はもちろん、セキュリティや法令遵守に関する要求水準が他業種よりも高い。そうした厳しい条件下で、オンライン業務等の勘定系システムは、現在のメインフレームを富士通の最新機種「GS21 500」へ更改。また情報系システムは、現在のメインフレームとUNIXで構成されているものを、富士通の「PRIMEQUEST 580」へ移行し、LinuxとOracleによるオープン環境に切り替えるという戦略的な決断を下しました。まず、開発機として06年1月に「PRIMEQUEST 440」を導入しました。本番機の「PRIMEQUEST 580」(2台)を導入するのは07年1月の予定です(図2)。
[図2]株式会社滋賀銀行様の次期基幹系システムの概要

新システムに移行するにあたり、藤井氏は「勘定系は現在極めて安定稼働しているシステムをそのまま稼働させることが、将来的な選択肢を広く残すためにはベストであり、また安全面やコスト面で最も有利と考えました。一方、情報系に関しては現在UNIXでOracleによって構築されている戦略的に優れたDBM(Data Base Marketing)システムを活かすことにしました。デファクト・スタンダードであるOracleとLinuxを組み合わせたオープンな基盤にしたのは、IT資産の保全という大きなメリットを得られるためです」と、語られます。
MFと同等の信頼性を確保

取締役システム部長
藤井 実氏

システム部副部長
岩
博氏
Linux採用の背景には、UNIXによる現行システムの問題を解決するねらいもありました。「UNIXもオープンとはいえ、ベンダー毎に異なっているため移植性に難点があります。また、現行システムは運用系と待機系のシステム構成が異なるためトラブル時に性能が劣化したり、機能追加も柔軟に行えない等の問題が生じていました」(岩
氏)。Linuxによるオープン環境なら、その時代の最も可用性/拡張性が高いプラットフォームに移行でき、性能劣化も解決できます。
こうした条件を満たすため、株式会社滋賀銀行様はIAサーバに着目しました。「PRIMEQUEST」を選んだ理由を藤井氏は、「特定のベンダーに依存しないオープン基盤を採用する方針の中で、最終的に「PRIMEQUEST」に決めたのは、メモリのミラー機能やCPU故障時の待機システム・ボードへの自動交代機能等によるメインフレームと同等の信頼性、最大64コアまでの拡張性、サービス・プロセッサやミドルウェアによる運用最適化などの点を総合的に評価したからです」と、語られます。
メインフレームなら10年間の長期運用も珍しくありませんが、技術進歩が著しいIAサーバでは5年程度が一般的です。株式会社滋賀銀行様は「PRIMEQUEST」を中心に拡張していけば、十分な処理能力を10年間確保できると判断されました。長期間の運用にはハードウェアの性能、拡張性だけでなく、OSやデータベース、ミドルウェアの継続性も重要となります。藤井氏は「メインフレーム主体の勘定系システムが10年後にLinuxに置き換わっているかどうかは分かりませんが、基幹システムの周囲にある多数のシステムでは、Linuxが主流になる可能性は高いと思います。新システムのプラットフォームを検討している際も部門毎に様々な考え方がありましたが、市場動向や技術動向、将来性等、複合的に考慮した結果、Linuxの採用が最も妥当であると判断しました」と、説明されます。
運用面での大幅な改善も期待

システム部システム開発グループ・調査役
世森 健一郎氏

システム部システム開発グループ・調査役
寺本 浩氏
新システムでは勘定系、情報系からストレージ・システム「ETERNUS 8000」を共用。バックアップの時間を短縮し、リソースの最適化が図れ、さらに統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker」の適用によって、サーバ/ストレージ/ネットワーク等、全体を一元的に監視でき、運用工数を削減できます。
「「Systemwalker」は以前から導入していましたが、今回のシステム更改によって、障害個所の特定(注1)や性能情報の管理(注2)等の強化された機能を利用できるようになります。また、ヘルプデスク機能(注3)を利用して、トラブルの対処方法や対処までの履歴等を管理し、迅速な対応を行えるよう、ドキュメントの整備等も進めたいと考えています」(世森氏)。
株式会社滋賀銀行様は、今回のシステム更改に伴い「Systemwalker」で統合運用管理する範囲を拡大。「融資稟議のワークフローや旅費精算等といった庶務系のシステムが、数十台のUNIXやWindowsサーバ上で稼働しています。これらは更改時期に達していないため、今回は統合の対象にしませんでしたが、今後はLinuxにて「PRIMEQUEST」へデータベースを統合していくことも考えたいと思っています」と、寺本氏は話されます。
ユーザープロフィール
株式会社滋賀銀行
設立: 1933年10月
代表:
田紘一 頭取
従業員数: 2,152人(2006年3月31現在)
所在地: 滋賀県大津市浜町1-38
株式会社滋賀銀行 ホームページ
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