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製造業が真に求めるPLMソリューションを提供する

近未来の顧客ニーズを適確に判断し、いち早く製品を市場へ投入する製造業の「ものづくり」は、開発期間の短縮、コスト削減、品質向上の競争の真っ只中にあり、PLMはその「ものづくり」を強力に支援するツールとして活用されている。富士通では、PLM事業をさらに強化するため、7月1日より、デジタルプロセス株式会社(以下、DIPRO)と株式会社富士通長野システムエンジニアリングに技術者を集結させ強化をはかっていく。これからのPLMビジネスの展望と新体制とした所以を、間瀬俊明常務理事(デジタルプロセス株式会社代表取締役社長)に聞く。


[連載索引] ものづくり |  開発設計・製造環境の構築を支援するPLMソリューション |  製造業が真に求めるPLMソリューションを提供する |  PLM実践フォーラム2008 今年の見所 |  グローバリゼーションに対応した「ものづくり」 |


グローバルマーケットで競争力を生み出すツールへ

「キャッチアップ型産業構造が終焉し、キャッチアップすべき目標を失ったときの日本の脆さを感じざるを得ない」と前置きしながら、多品種少量生産にますます拍車がかかる現代の製造業の課題について間瀬常務理事は次のように話す。

「顧客ニーズの多様化という括りでは収まらないほど、ニーズが複雑化、高度化しているというのが現在の状況だと思います。開発から市場投入までの期間は短縮化の一途をたどっており、市場競争力ある優れた製品をどれだけ早く投入できるかが製造業の成功を左右する大きな要因となっています。」

PLMは、製造業各社がしのぎを削るこのような状況下で、CRMやSCMとともに、新しい「ものづくり」を支援する仕組みを提供するものである。世界各国のITベンダーによりさまざまなPLMツールが開発され、製造の現場で活躍している。しかし、PLMツールのグローバルマーケットをみたときに、日本製が占める割合は極端に少ないという。

「製造業は日本がもっとも得意としている領域で、他の産業に先駆けて海外進出もはたしてきました。それにもかかわらず、海外で現地生産するためのPLMツールは欧米製を使用しているというケースが多々あります。」

チームワークを重視した日本型の開発設計スタイルやノウハウを活かしきれないといった課題も聞かれるが、欧米製がいまだ市場を席巻している現状に変わりはない。

「日本国内のPLM市場では第二位のシェアを誇る富士通ですが、製造業のグローバル化を支援するためにはグローバルに通用するツールをつくりあげなければなりません。そして、それは現状のツールに満足していないお客さまへ解決策を提示することにもなり得ると考えています。」

組織再編でマーケットニーズをとらえた新しい価値をつくりだす

今回の組織再編はグローバルマーケットでの認知を視野に入れたもので、富士通グループ全体でPLM事業を強化していく。
今後、富士通はマーケットニーズの分析と販売促進に特化し、今まで以上にお客様ニーズを捉え、製品やソリューションへ反映する役割を担う。そしてCAD製品の開発機能を、自動車業界向けのCAD製品の開発・販売、サポートを専門に活躍するデジタルプロセス株式会社(DIPRO)に集結させ、SIサービスで高い実績を持つ株式会社富士通長野システムエンジニアリングにはPDM製品の開発・システム構築・サポート機能を集約してPLMの開発力の強化と競争力向上をはかっていく。

「今後、グローバルなPLMマーケットで競争力をもって私たちがツールを展開していくために何が必要なのかを考えた場合、それは質の高い日本の製造業のノウハウをパッケージ化する、ということなのではないかと考えています。PLMのグローバルマーケットで競争力をつけることは、今後の日本のIT産業にとっても非常に重要なことだと思います。」

世界に通用するPLMツールをつくることで、より価値の高いプロダクトやサービスをお客さまに提供できるようになるという。

「たとえば、これまでDIPROが培ってきた自動車・機械・精密などメカを中心としたパッケージビジネスに、富士通グループの、主に電気・電子分野に強いCAD系パッケージを集約することで、メカ、メカトロ、エレキ全ての製造業のエンジニアリング分野に対応することが可能となります。産業自体のボーダーレス化と製品自体における技術の一体化への流れの双方に対応できる体制になったのです。」

そして、さらに専門性を高め、マーケットニーズに応えるための変革でもあるという。

「PLMマーケットはいわば専門特化型の市場です。そこにフォーカスして戦力投入をするためには、専門特化した会社の方が人材も集めやすいし、深掘りも可能となります。ノウハウの蓄積もしやすい。裾野の広い富士通本体の土壌で展開するよりは専門特化型の企業の方が適しているのです。」

PLMは、従来のハードウェアの枠にとらわれず、ベーシック、ミドルウェア、パッケージなどのソフトウェアからブロードバンドや通信のインフラまでを含めた全体がプラットフォームとなる。ITの知識はもちろんですが、それ以上に製造の現場を知ることが重要になる。

「富士通自身が製造業だということがPLMツールの開発においての強みだと思います。純粋なITベンダーと違い、富士通自身がPLMのユーザーでもあるわけです。お客さまのマインドやニーズをつかみやすい立場にあります。そのバックグラウンドの強さを集約化して、体系化できる土壌づくりの一歩が今回の組織再編なのです。」

「「ものづくり」とITのノウハウを一緒にできる場、それを私は“創発の場”と呼んでいるのですが、異質がぶつかって今まで存在しない新しい価値を生み出していくことが可能だと思っています。世の中ではなかなか考えつかないような新しいプロダクトだとか、お客さまにとって使い勝手の良いソフトを開発できる環境にある。欧米のベンダーではそういう開発環境にあるところはほとんどありませんから、日本発の、世界で競争力のあるPLMツールがつくれると確信しています。」

全方位ではなくしっかり絞り込むことと同時に、「ものづくり」のマインドを吹き込んだPLMツールで富士通グループ一体となってグローバルマーケットに挑んでいく。

「日本発のものづくりIT」で飛躍する製造業を強力に支援する

目指すは世界市場で戦えるデファクトスタンダードである。
「ハードルは高いですが、デファクトスタンダードを狙っていかなければ長期的な展望はのぞめないと考えています。グローバル化した生産環境にあっては、ツールもグローバル仕様でなければ意味がない。グローバル仕様のPLM製品を、日本発で、日本の良さを持ちつつ世界的に認められるようなものに仕上げていかないと、相対的な競争力は保てないのです。」

製品作りとともにマーケティングにも重点を置き、努力を積み重ねることがPLM日本ブランドへつながる道だという。

「独創とは、ないものをつくりあげるというより、徹底した深掘りと組合せでおこるものだと思います。良い技術を持っている、それはあたりまえのことで、その技術を世界市場で戦える力あるものにしていくのが私たちの役目。そして、そのPLMツールを使用して日本の製造業がさらに隆盛していくことが私たちの願いです。」

そして「ものづくり」の楽しさを次の世代へつなぐことも発展のための大きな目標と語る。
「私たちの世代が味わってきた“つくる楽しみ”というものが、現代ではなかなか伝わりにくい環境にあります。新体制では、若い世代が楽しさを実感できる場を作ることも課題のひとつです。」

富士通PLM実践フォーラムに向けて

「今、PLMに求められているのは、情報の明確化と速度といえます。
コンカレントエンジニアリングを円滑に、かつ効果的にすすめるためには、製品開発に携わる多数のエンジニアたちが、開発プロセスのなかでデータを基準とした仕組みのメリットを存分に享受できなければなりません。その拠り所、すなわち要(かなめ)がデータであり、要衝であるという意味で“データ衝”と呼んでいます。

ここを中心に仕事がすすみ、仕事に携わっている誰もが常に進行状況を把握することができる場所です。開発の透明性が高まり、見える化が実現します。そしてデータの蓄積は財産となります。以心伝心を、単なる気持ちではなくていかに形あるものに表現できるか、ビジネスプロセス間の情報を分断しないデータ共有の仕組みを作ることが重要と考えます。

8月27日に開催される『富士通PLM実践フォーラム2008』では、このような私たちが新たな体制で考えるPLMをより多くのお客さまに知っていただき、是非、共感していただきたい。すべてはそこから始まると思っています。」

今回の新体制でのスタートは、富士通グループが一丸となり、日本の「ものづくり」現場発のIT製品・ソリューションが、世界の「ものづくり」を変える日を目指し、グローバルにPLMビジネスの拡大をはかっていくための確かな一歩となるだろう。

今年で4回目をむかえる、お客様ご自身にご講演いただく事例を中心としたフォーラムをご紹介します。

PLM実践フォーラム2008 今年の見所

[2008年8月1日 公開]

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