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現場起点での業務改善が革新のスパイラルをつくる

富士通がフィールド・イノベーションを実現するための一翼を担う人材「フィールド・イノベータ」の育成を始めたのが2007年10月。ITの知見はもとより業務の第一線で培った経験に加え、「見える化」技術や分析手法を習得し、お客様の業務目線で語り、課題を解決できる、従来のシステム・インテグレータ(SIer)とは違う “フィールド・イノベータ(FIer:エフアイヤー)”が活躍しはじめている。

現在、お客様の現場に入りこみ業務の改善を進めるプロジェクトメンバーであるフィールド・イノベーション推進本部 フィールド・イノベーション推進室の寺井博、原山裕一、竹山裕、橋本隆の4人のFIerに話を聞く。


革新の第一歩は客観的な事実を浮かび上がらせること

ビジネス環境の変化が著しい現代において、常に業務を見直しながら効率化をはかり、生産性を上げていくことの重要度は増すばかりだ。しかし、いざ改善を実行しようとしても、そのプロセスは決して容易ではないと寺井はいう。

「習慣になって定着している業務というものは、たとえ問題があるという認識はお持ちでも、変更するとなったらなかなか難しいものです。忙しすぎてとても改善までには結びつかない、どこから手をつけたら良いかわからない、という現場は多いと思います。また、いったん現場に定着し溶け込んでしまった業務というものは、改善すべき課題が見えにくくなってしまうということもいえます。」

富士通のフィールド・イノベーションは、改革の対象となる活動領域を「フィールド」と定義し、まず、日常業務のなかで今まで見えていることも、見えていなかったことも含め、事実を徹底的に「見える化」することから始まる。この手法のひとつが、フィールドワークとよばれる現場に密着した取り組みである。

「今回、私たちがおこなったフィールドワークは、現場での具体的な課題領域を見つけ出すために、担当業務を観察し、作業内容や気づきを分・秒単位で記録するものです。観察時間や日数は業務内容によって異なりますが、その間は極力お客様の業務に支障が出ないように作業を進めました。お客様には通常どおりに業務をしていただき、私たちは主観を入れずにありのままを記録していきます。このありのままが客観的な事実となり、改善の種になるのです。」と寺井はいう。

今回取り組んでいるお客様のフィールドワークについて、原山は次のように語る。

「工場における物流業務改善で、最初にフィールドワークを実施しました。観察を続けるうち、改善領域以外の部分でも気づいたこと、見えてきたことが多々あり、その分析結果も含めて報告しました。お客様にとっては予想外の発見もあったようで、フィールドワークの価値も少なからず認めていただきました。また、これだけ熱心に仕事を見てもらったのは初めてだったということで、現場の方からは謝意をいただきました。」

物流部門にいた経験を持つ原山は更に続ける。

「物流のシステム構築や運用の改善に関わってきましたが、今回のフィールドワークでは自分の過去の知識に頼らずに、初心者のつもりで観察を続けました。すると、物流の管理業務といっても会社が違えば指示系統や伝票の扱い方がまるで違うということがわかったのです。中立・公平な眼で観察・記録することが非常に重要だと改めて認識しました。」

現場起点だからこそ、人の知恵を活かした業務改善が可能になる

FIerのスタンスは、従来型のコンサルティングとは違う独特のものがある。

「従来型のコンサルティングは、到達すべき理想があって、その理想と現実とのギャップを埋めるように改善を進めるという発想が多かったように思います。ところが、理想に近づけようとするあまり、現場への負荷がかなり大きくなってしまうこともありました。その反省点もふまえ、フィールド・イノベーションでは、現場みずからの改善のモチベーションを盛り立て、常に『現場起点』ということを大切に考えているのです。」
と寺井はいう。

購買部門での業務改善も経験したことがある竹山はいう。
「リアリティを持った業務改善でなければ現場には役立ちません。そのため、富士通の社内実践でできるだけ効果測定や問題点の抽出をおこない、経験として積み上げながら、それをお客様の業務の現場に活かしていく、というプロセスも実行しています。」

そしてFIerは第三者の冷静な眼を持ってお客様の業務をながめることも必要だという。
「経験を積んだ役者は、舞台上で気持ちを入れ込んだ熱い演技をしていても、一方では常に客観的に舞台全体をながめているもうひとりの自分がいる、といいます。私たちFIerもフィールドという改善の舞台上で、お客様と一緒になって熱い議論を戦わせながら、その一方で全体を把握していくもうひとつの眼も巧みも働かせていきます。」

内部にいると当たり前だと思って見逃してしまう問題点を見極め、気づきを与える。なかにはお客様の知らない事実が見えてくることもある。組織のなかでの互いの理解を深め、それらを結びつけることで、新たな解決策が生まれてくる。それができるのは、FIerが現場に深く入り込み、現場起点でお客様の業務課題を一緒に解決していこうという強い姿勢を持っているからにほかならない。

お客様先企業の経営革新に貢献することでITの価値を高めていく

このプロジェクトでは、お客様と交わした会話を最大限、聞き漏らさない様にしたことも好結果につながった、と橋本はいう。

「お客様と交わした会話から、キーワードを抽出し、気づきデータベースとしてExcelのデータベースに入れ、それをまた次のインタビューなどに活かしていきました。お客様の業務の早期理解につながりました。」

こうしたひとつひとつの工夫、地道な積み重ねが、お客様の信頼を得ることにつながり、お互いが知恵を出しあいながら効果的に改善が進む道が拓けるのだと橋本はいう。

「ITだけを高度化してもビジネスが好調になるとは限りません。厳しいビジネス環境下の今だからこそ、人の知恵を活かすことをもっと考えなくてはならないと思うのです。お客様先企業の経営や業務を学び、分析、整理し、どこにITを使えばいいのかを考えていく。こうした原点に立ち返ることが、ITを有効に活用することにつながるのだと思います。」

プロジェクトリーダーの寺井は業務改善の理想を次のように語る。
「日々の業務に一歩一歩確実に取り組むうちに改善が進み、気がついたら明日の準備もすみ、あるべき姿に変わっていたというのが改善の理想形だと思います。私はこうした姿を目指したいと思っています。」

「改善の個別の成果を卵にたとえると、プロジェクトのゴールは継続して卵を産み続ける健康な鶏が育つことです。そして卵からかえった雛鳥も、立派な親鳥に育ち、さらに沢山の卵を産んでいく。こうやって組織が改善体質に生まれ変わっていくことこそ、もっとも重要なのです。」

革新のスパイラルアップこそ、フィールド・イノベーションが目指すところだ。

「ビジネス環境変化のめまぐるしい現代においては、常に全体最適であり続けるシステムなど存在しません。革新体質を確立し、絶え間ない改善の積み重ねを実践してこそ、進化し続ける企業となりえるのです。ITと経営がますます一体化するなか、富士通はもう一度IT化の原点に立ち戻り、『人とプロセスとITの継続的な改善』を率先して進めていきます。」

FIerはもちろんのこと、ビジネス・アーキテクト、従来のコンサルタントや営業、SEを含めた「フィールド・イノベーション・チーム」で、富士通は今後もお客様先企業と一体になって経営革新に取り組んでいく。

[2009年4月1日 公開]

現場視線から業務の課題を改善するフィールド・イノベータ(FIer)

富士通のフィールド・イノベータは、業務の見直しに課題に対し、フィールドワークを活用し、現場視線から課題領域の絞込みや解決のポイントを発見し、改善施策をご提案。


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