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携帯電話の使いやすさとオープンなOS環境の融合 Windows®ケータイF1100がひらくユビキタスソリューション

Windows®ケータイF1100は一台の端末で内外線が使用可能であり、外出先からでも社内イントラネットに安全にアクセスし、リアルタイムな情報共有を可能にするなど、新しいワークスタイルの実現を強力に支援する端末として大きな期待がよせられている。

『F1100』の開発にあたったモバイルフォン事業本部 先行開発統括部のプロジェクト課長 宮崎俊也と清水浩、ネットワークサービス事業本部 プロダクト開発統括部 根津博史に多機能携帯の開発経緯を聞く。

ビジネス向けで自由度の高い携帯端末の開発に、富士通の技術が結集

「Windows®ケータイF1100はまったく新しい開発チームによってソリューションとの連携をも視野にいれた、いわば富士通ならではのケータイです。」 と宮崎はいう。開発チームは多彩なメンバーで構成している。

「もちろんモバイルフォン技術に精通している人もいますが、以前はノートPCの開発をしていたとか、ミドルウェアを開発していたとか、あるいはSEであったなど、バリエーションにとんだメンバーによって開発チームが結成されました。
モバイル開発とは無縁であったメンバーの新しい視点が加わったことで、開発に厚みが増したと感じています。」

宮崎は研究所出身であることから、基礎開発・概念からの発想で開発にあたっている。
また、清水はモバイルとは無縁なUNIXやミドルウェアの開発に従事し、今回のOS搭載技術で大きな役割を果たしている。
そして根津はネットワーク技術の専門家として、デュアル端末の精度向上に大きく貢献している。

開発のポイントについて宮崎は次のように語る。

「無線LAN技術が高速化、広帯域化といった進歩や、機器のコストが下がってきたことを受けて、無線LANを利用した音声電話、つまりVoIPが本格化してくる時期でした。加えて、移動中は携帯電話のキャリアを使い、屋内では固定電話のキャリアを使いコストを削減するFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスという発想も生まれました。

シームレスな通信環境というのは当たり前になってきたなか、そこにどういう付加価値を盛り込めるか、ということが『F1100』の開発ポイントでした。」

市場の動きをとらえ、NTTドコモ様のFOMAと無線LAN双方の通信環境にシームレスに適応し、汎用性を融合させた携帯端末の開発がスタートする。

無線LANを使用したVoIP技術と汎用OSを搭載したオリジナリティ

FOMAとIEEE802.11a/b/gの無線LANのそれぞれに場所や条件に応じて接続できるのが『F1100』の特徴のひとつだが、無線LAN上に音声を乗せ、高精度な音声品質を確保するには高度な技術が要求される。

「従来のFOMA電話機能と、そもそもデータ通信向けともいえる無線LANを用いた音声通話の使い勝手のよい実装が大きな課題でした。

もともと無線LANは音声を乗せることを考えて作られた技術ではありませんから、そこに音声を乗せて音声品質を確保していくという技術は、さまざまな方面で研究されている分野です。無線LANはパケット単位で情報を伝達する技術ですので、パケットの到来間隔のゆらぎや、パケットロスなどが発生し、音声品質に関係してきます。

また、アクセスポイント間のハンドオーバ技術なども音声品質に関与してきますので、こういった部分に富士通の先端技術やノウハウを駆使しました。」と宮崎はいう。

そして今回、ビジネスツールとしての自由度を高めるものとして、NTTドコモ様では初めてとなるMicrosoft®のスマートフォン向けOS『Windows®Mobile 6 Standard』を採用したのも『F1100』の大きな話題だ。

「お客様はケータイが持つ従来からのユーザーインターフェースになれていますので、なんとかそのLook&FeelをWindows®Mobile OSで実現しよう、また、NTTドコモ様からの要求仕様を、Windows®Mobileが標準で持っている部分を巧みに使いながら実現しよう、という部分はすんなりといかないことは予測していました。

それらを突き詰めて、かつ、ビジネスに利用できる機能を充実させるかということは今回の開発の大きなポイントのひとつでした。この課題を解決するため、メンバーの知恵を結集して開発にあたりました。」と清水はいう。

Windows®のようなオープンなOSにこだわらなければ、開発は容易だったかもしれない。しかし、それでは広がりがない。『F1100』を「普通の携帯電話」にはしたくなかったという。

「携帯電話の手軽さはキープしつつ、ビジネス向けにマルチタスクの利便性を持たせ、なおかつ、オリジナル開発されたアプリケーションも搭載することができる端末。これが出発点ですから、コンシューマー向けの端末とも、従来型のスマートフォンとも違うものになりました。

さらにいえば、単なるWindows®端末でもありません。幅広い利用シーンに対応するために、富士通が持つ基盤開発技術やアプリケーション開発技術などを活用しております。

たとえば、無線LANを用いた内線電話機能では、一部の音声処理をハードウェア処理しており、これによってメインCPUの処理負荷を下げたことでアプリケーションがより快適に動作できるようになっています。

また、セキュリティフォルダと呼ばれる記憶領域を持っており、これはハードアシストによる強固なセキュリティを確保したフォルダで、通信に用いる証明書の保管場所やアプリケーションに応じた様々な利用が可能です。こういった実際の運用でキーとなる部分には様々な技術要素を盛り込んでいます。」と清水は自信をのぞかせる。

デュアル携帯電話を活用してトータルなIPテレフォニーサービス環境を構築

今回のプロジェクトで内外線アプリケーションの開発に携わった根津は、『F1100』は待ち望んでいた端末だという。

「音声をIPネットワークにのせて通話をするIPテレフォニーシステムの分野では、社外でも社内と同じような音声、画像、映像のやり取りが必要になってきました。

一貫したテレフォニーシステムを実現しようとすれば、端末にも一定水準以上の機能、性能が求められます。その点でWindows® Mobile は市場でも優位にあるといっていいでしょう。」

企業内でシステムの統一をはかろうとすると、Windows®OSは避けては通れない。さらに、今回のF1100携帯端末が開発されたことにより、テレフォニーのサービス機能をフルに活用できる環境が整った。

「活用法は業種によってさまざまに展開していくことが可能だと思います。流通業であれば、伝票を持たずに集荷に向かい、客先でサーバへアクセスしてデータ処理をするとか、建設現場であれば『F1100』をポケットに入れたまま、必要な図面は電子ペーパーで表示して見る、という使い方も考えられます。
もちろん、建設作業騒音のなかでも通話に耐えうる音声品質を確保していますので、通話もデータ通信も高いクオリティを発揮します。」

「高機能で持ち運びしやすい『F1100』の登場により、富士通はITインフラからネットワークサービス、ユビキタス端末のすべてをワンストップで提供できるようになりました。トータルにご提供できるベンダーは、今のところ、富士通だけです。」

ネットワーク全体に渡る万全のセキュリティでお客様のビジネスをご支援

ビジネス用の携帯電話として機能するために、ことさら重要となるのがセキュリティである。

「ネットワークがシームレスになる一方で、情報は流出しやすくなる、という点も否めません。この不安を解消するセキュリティの仕組みが必要です。
『F1100』ではOSが持っているロック機能に富士通のアドバンテージである、指紋認証を統合しています。内部統制などの法令に準拠するためには、携帯端末は個人認証が確実にできる機能がなければならず、この点で多重認証ができる『F1100』はビジネスユーザーには心強いと思います。」と清水はいう。

しかし、セキュリティはただ堅固にすれば良いというわけではないという。

「セキュリティを厳しくすると、一般にはユーザーの使い勝手が悪くなります。この懸念も『F1100』を活用すれば解消できます。たとえば、端末自体にはデータを持たせず、高速パケット通信HSDPAや無線LANでブラウザからサーバへアクセスしてやりとりをすれば、セキュリティリスクは最小限で済みます。ネットワークシステム全体でセキュリティを担保できるようになります。」

次期開発へ向けて、今後のモバイル端末の発展性

最後に、今後のモバイル端末はどうなっていくのか、聞いてみた。

「個人向けの携帯電話に関しては大きな動きはないと思いますが、法人向けは今後まだまだ開拓の余地があると思います。ポイントになるのは「セキュリティ」だと思いますが、ユーザー単位でカスタマイズできるような仕組みができれば、と思っています。いちいち設定変更をしなくても、自動でコントロールしてくれるようなセキュリティ機能が理想です。」と清水はいう。

根津は、富士通の技術力を総合力として融合することが大切だと語る。 「テレフォニーシステムの市場も動いていますが、法規制も動きます。たとえば今回、F1100開発メンバーが多方面から結集したように、市場ニーズを読み、富士通にたくさん存在する技術を融合展開することで、業界のトップランナーとしての技術開発を促進していけるのではないかと感じています。」

宮崎は、ユビキタスと携帯電話について次のように語る。
「眼鏡をかけている人が、普段は眼鏡のつるを意識しないように、本当に便利なものは意識しないまま利用しているものです。真のユビキタスとは便利であることを意識させない。携帯電話も将来的にはそうあるべきだと思います。物理的な面からか、意識の面からであるか、それは今後、開発をしていくなかで見出していきたいと思います。」

富士通の先端技術と、富士通のリソースが結集され、さらには開発者たちの熱い思いがこめられた「Windows®ケータイF1100」は、2008年6月に開催された「Interop Tokyo 2008」において、『F1100を活用したモバイルソリューション』としてグランプリを受賞した。これからも企業のソリューションに大いに貢献するべく、進化を続けていく。

富士通のEnterprise Innovation Support Center(通称、EIセンター)では、各種教育やデモンストレーションをおこなっており、『F1100』を活用したモバイルソリューションについても、ご体験いただけます。

新たなモバイルソリューションを実現する『F1100』

携帯電話とかわらない「使いやすさ」を加え、ビジネス機能を充実させたWindows®ケータイF1100。時間や場所にとらわれない新しいワークスタイルが実現します。


[2008年9月1日 公開]


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