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ITインフラデリバリーサービスで納期短縮と安定品質を実現

医療サービスの向上、医療事故の防止、医療従事者の不足、地域医療連携問題など病院を取り巻く情報システムの課題は多い。
国立大学法人、岡山大学病院様もその例にもれず日夜、先進医療の研究や地域医療の促進に取り組んでおられ、地域の生活者に安心で安全な医療を提供するための当病院の情報インフラを富士通が構築、サポートしている。

今回は、このITインフラの再構築プロジェクトに採用された富士通の新たなるサービス『ITインフラデリバリーサービス』の特長や、医療現場におけるITの課題を富士通中国営業本部 岡山支店の大川泰担当部長ならびに富士通エフサス 岡山支店の樋口総一に聞いた。

お客様が真に必要なITとは何か

「ITのトレンドに沿ってお客様のニーズや課題を探るというのは正論のようですが、実は違うように思います。
大学病院の場合、病院経営というテーマに比べ、患者の症例、治療プロセス、設備、手術の方法、そして医師を育てて輩出していくことの方が関心事です。単純に病院のIT化をビジネス的な視点からだけで捉えるわけにはいきません。

もし、病院にITが無かったらどうなるでしょう。医療現場は「患者様に適切な治療ができること」が何よりも重要ですから、患者様の様態が正確に把握でき、十分な薬があり、適切な処置ができる状況が確保されているならば、ITはさほど重要ではないかもしれません。お客様の立場でITの必要性を考えた上で、システムを提案する必要があります。」と大川は語る。

今回のプロジェクトの対象となった岡山大学病院様は、中国地方の基幹病院の一つである。
「病床数が891、外来患者数は一日あたり平均2,791人、そして歯科を含めて41の診療科を併せ持つ大病院です。ITを医療の現場に応用できるかを考えるうえで、相手の実情を知ることこそ大切と思い、医療情報技師試験に挑戦しました。」と病院情報システムの情報処理技術者資格を取得したのは樋口だ。

「毎年、医療改定があるため、医療のシステムには必ず手直しが加えられています。岡山大学病院様でも、医事会計、電子カルテ、部門システムなどにさまざまなアプリケーションが稼動しており、これらを大型汎用コンピュータ(メインフレーム)と約40台のサーバが支えていました。
確かに汎用機は安定性には優れているのですが、メンテナンスに手間がかかります。これがインフラを見直す動機でした。そこで、ダウンサイジングやオープン化を推進していくためにも、ラックマウントサーバへのシステム一元化を提案しました。」と大川は語る。

ITインフラデリバリーサービスがニーズにマッチ

「設計からサーバ構築までを僅か2ヶ月で完了しなければなりませんでした。病院の性格上、現場でシステムを構築してテストする時間や空間が確保できません。
なぜならば、24時間稼動する病院では、患者様の行き交う廊下やミーティングが常におこなわれている会議室などを作業場所とすることは困難でした。ましてや社会システムとしての病院業務に支障をきたすわけにはいきませんから、短時間で稼動させる必要がありました。」

「この過酷な条件をクリアできたのも富士通が新たに展開する『ITインフラデリバリーサービス』があったが故です。
このサービスは、サーバ、ストレージ、ネットワーク機器、そしてソフトウェアなどを事前に設計した構成で構築し、ソフトウェアのインストール、動作確認までを一貫して富士通の工場で実施し、短納期で、お客様にITインフラを丸ごとお届けする富士通独自のサービスです。」と樋口は語った。

ITインフラデリバリーサービスの流れは、まずお客様のシステム環境やご要望をヒアリングし、富士通が蓄積したノウハウ・標準モデルを活用しつつ構成設計をおこない、製品を製造します。次にインフラ工場で、製品集約~ラック搭載~製品組み上げ~ソフトインストール~動作確認~製品出荷までをおこない、お客様先へお届け。導入後すぐに安定稼動を実現します。

納期の短縮、品質の均一化、ごみゼロを実現

このサービスの特長を大川は次のように解説する。
「まずは何と言っても品質に対する安心感です。工場のラインで既に評価済みですから、現場としては製品ベースの安心感が得られました。」

「77台のサーバを10日間という驚異的なスピードで構築し、納期も飛躍的に短縮できました。また、個々で環境が違っていたサーバOSやアプリケーションを統一し、システムの大半を同じ構成にしました。これにより、サーバのスペックや運用ツールの均一化を実現できたため、従来の大規模システム構築にかかる工数と比べると、大幅に効率化することができ、稼働後の不具合低減のひとつにもなりました。
これを実現できたのもインフラ工場での綿密な検証と、チーム全員が導入後の安定稼動を目標とし、それぞれの役割をまっとうしたからだと思います。」と樋口はチームマネジメントの重要性にも触れた。

「通常ですと100台もサーバがあると複数のSEがこれを管理します。1箇所でも検証漏れがあったりしたら、この溝を埋めるための作業は計り知れません。3人SEが関与すればこの間に2つの溝が生まれ、その分、問題が発生する可能性が高まりますが、ITインフラデリバリーサービスを利用した結果、この不安は解消しました。
従来は現場において営業、SE、CEがそれぞれの役割を分担する『点の展開』でしたが、インフラ工場は、そこに作業要員を含めてすべての機能がパッケージ化されている『面での展開』ですから、お客様に品質に関して安心していただけました。」と大川は言う。

また樋口は、環境への低負荷を強調する。

「常に最新の技術を取り入れている工場と十全なるスタッフにより、問題を未然に防止できることで高品質を約束できる点が、インフラ工場の強みですが、これに加えて環境にやさしいという利点もあります。検証済みのITインフラをそのままラックに搭載して、クッションの良いトラックに載せて輸送するので、搬入時に出るダンボールと発砲スチロールはほぼゼロなのです。」

ITインフラデリバリーサービスは、インフラ工場で製品集約~ラック搭載~製品組み上げ~ソフトインストール~動作確認~製品出荷までをおこない、今までは個別に梱包されていたパーツを組みあがった状態でお客様先へお届けします。そのため余分な梱包資材がなく、環境にも配慮したサービスです。

衰えを知らないインフラへの期待

「病院の機能や要求されている仕組みは劇的に変化しています。病院では集中治療室や感染症の病室など特殊な設備を完備しなくてはいけませんし、これに合わせて、ITの環境も整備しなくてはいけないのです。」と大川は言う。

「たとえば、モニターを乱立したくないという先生の希望があり、モニターの切替え装置を入れて1つのモニターで対応できるようにしました。医師や事務など各現場の意見を聞き応対し、それに併せてネットワークも構築しなければなりません。インフラへの要求は複雑化、多様化しているというのが、今のオープンシステム環境の実態です。」

「富士通では岡山大学病院様のケースのように、ITインフラデリバリーサービスを利用した、短納期で高品質なインフラの導入に留まらず、企画から構築、運用、廃棄までのすべてにおいて、お客様を支援していくLCMサービスがあります。
当社の豊富なリソースと多くの実績から得たノウハウが集約されている、このITインフラデリバリーサービスをさまざまな業種、業態のお客様に是非ともご活用いただき、お客様の力になりたいと考えています!」と大川は今後への意欲と抱負を語った。

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[2008年6月9日 公開]

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