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内部統制への取り組みがもたらす意外な成果
業務改善や組織改善の課題が見えてくる

左から佐藤研、高野耕世

上場企業の財務報告の信頼性を確保するために義務付けられた、内部統制報告制度(通称、日本版SOX法)の適用が開始された。
2009年3月期決算の多くの企業では、2008年4月からが本番年度に入った。とはいえ、初めての経験もあってか、各企業がさまざまな課題や悩みを抱えているという。

富士通では、このような状況にお応えしていくために豊富な内部統制強化支援ソリューション(注1)や教育を用意している。
今回は、このソリューションのひとつである内部統制教育・研修サービス(注2)の開発を担当した、富士通総研 第三コンサルティング本部内部統制事業部 コンサルタントの佐藤研と高野耕世に、富士通が考える内部統制の取り組み方について、話を聞いた。


内部統制の取り組み - 何をどこまでやったら良いのか?

高野耕世

「お客様の情報システム部門では、現在もシステム監査やISMSやITILなどの管理基準にしたがい、開発や運用の統制をおこなっています。
しかし、内部統制の「リスク」という観点からの、統制の整備作業に関するスキルを持つ人材の不足にお悩みです。そのため、お客様からは『何をすべきか』『どこまでやればいいのか』というご質問を多くいただきます。
また、お客様が足踏みをしている状況も見受けられます。これは、内部統制整備への対応が初めてということもあり、事例が少ないからでしょう。」と高野は言う。

実際、内部統制への取り組み初期の現段階では、推進役が不足しており、どこから手をつけるべきか悩んでいるお客様も多いという。
これに対し、富士通では自社内での実践やお客様への支援を通して培ったノウハウをリファレンスモデルとして、ハードウェア、アウトソーシングなどのインフラに留まらず、コンサルティングから教育・研修サービスまでと幅広いソリューションを用意している。

内部統制を支援する「教育・研修サービス」

佐藤研

「富士通グループでは、まず米国市場に上場している国内顧客の米国SOX法対応の支援をおこなってきており、この経験を通じて、日本版SOX法対応のためのノウハウを蓄積してきました。
さらに、日本版SOX法対応へのニーズの高まりに合わせて、数々のコンサルティング商談を進めることにより、より豊富な内部強化支援のためのノウハウを得ることができました。」

「外部コンサルタントやSEの支援を得ながら、内部統制整備作業をおこなう企業もあれば、外部にはできるだけ依頼せず、自社内だけで内部統制整備に取り組もうとする企業も多く見受けられます。
このような市場のニーズに応え、後者である企業の主体的な活動を支援することも富士通の急務であると考えました。そこで誕生したのがさまざまな内部統制教育・研修サービスです。」
と内部統制教育・研修サービスの誕生経緯を佐藤は語る。

「サービス化にあたっては、コンサルタントが蓄積したノウハウを、教育・研修やテンプレートという形にして、整備しました。
また、コンサルタントの資料やツールで使用する難解な専門用語を避け、お客様ご自身でも作業いただけるよう、よりわかりやく、具体的な例をできるだけ盛り込み、内部統制整備の作業項目をイメージしやすいように工夫をしました。

特に、IT全般統制に関するテンプレートでは、ITベンダーである富士通ならではのノウハウを活かし、106項目の想定されるリスクとその統制ポイントを用意しました。テンプレートは、お客様の業種、業態に合わせ、カスタマイズしてご利用いただけるように、汎用性に配慮しながら設計して、提供しています。」

『内部統制の取り組みは何をどこまでやったら良いのか』というご質問に対する答えも、このテンプレートを使用することで見えてくると高野は言う。

「当社の教育・研修サービスに参加されたお客様からもこのテンプレートは好評です。内部統制の教育・研修サービスを開催しているEIセンター(注3)では、文書化や有効性評価などの教育や、実際にテンプレートを使った演習をおこなっています。
『どこから手をつけてよいか、どこまでやるべきなのかなど、全体的な作業ボリュームがわかった』『効率的な推進方法がわかった』といった感想や、異なる部署に所属している社員が合同でセミナーに参加されたという企業からは、『参加者の間に内部統制に対する共通認識が生まれ、参加後、プロジェクトを推進していく中で円滑なコミュニケーションが生まれた』などのお声をいただいいています。」

内部統制教育・研修サービス

「内部統制活動が当たり前」となる時代に向けて

「教育・研修サービスに参加されたお客様から『内部統制整備とは、法律で定められたことに仕方なく対応する面倒な作業で、いろいろなITツールも導入しなければならず、ただコストがかかるだけ、というイメージだった。
でも、内部統制というのは、企業のさまざまな経営課題のひとつに過ぎず、闇雲にIT投資をして、内部統制上の不備改善をしなければいけない、というものではない、と理解できた』というご意見もいただきました。
これは、ほかの経営課題とのバランスや優先順位を常に考えながら、無理なく段階的に整備していくことが、株主をはじめとしたステークホルダーへのアピールとなり、企業価値の向上につながるのだ、ということをおわかりいただけた結果だと思います。」
と高野は内部統制教育・研修サービスが、お客様のビジネスのお役に立てていると、お寄せいただいた声から感じている。

「また、法制度の対応として文書化などに取り組む中で、標準化できていない業務プロセスや、特定の部門または個人に過度な負担が集中しているといった、内部統制とは直接は関係ないと思っていた組織の問題点が見えてきたことから、業務改善や組織改善の課題が明らかになってきたというお客様もいらっしゃいます。内部統制活動の成果は、業務の効率化に大いに役立つ副産物を提供してくれています。」
佐藤は内部統制への取り組みが、財務報告の信頼性の確保のためだけではないことを語ってくれた。

「内部統制はすでに運用フェーズに入っており、本番がスタートしています。個人情報保護法が今や当たり前となったように、内部統制への取り組みとされている作業も、いずれ、普段皆様がそれと意識せずおこなうようになる、つまり、内部統制が当たり前となる時代に向けて、経営層だけではなく、全社員に内部統制を今の時点からしっかりと根付かせて、行動や意識を変えていく必要があります。」

「このような時代に備え、ITソリューションの提供だけではなく、内部統制教育・研修サービスの提供を通じて、お客様の内部統制推進役の育成に貢献していきたいと思っています。」
高野はコンサルタントとしての責任を語った。

2008年5月2日 公開


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