誰もが感じる「ストレス」と上手に付き合う方法
原因、解消法、対処法

日常生活において、私たちは、多くの刺激を受けています。その刺激をうまくコントロールできないと、誰もが「ストレス」を感じます。益々、刺激が増え続ける現在では、このストレス対策が重要となります。
そこで誰もが感じる「ストレス」と上手に付き合うために、その原因、解消法、対処法などをご紹介します。
生き物の反応システム、ストレス反応
ストレスとは、外からの刺激により身体に起こるさまざまな反応の総称です。
私たちの身体には、外からの刺激を受けても何とか心身のバランスを保とうとする、生き物として備わっている反応システムがあると考えられています。慣れない事態や状況はすべてストレスの引き金となる可能性があり、その都度、私たちの身体はそれに反応し、対応しようと身構えます(緊張)。
「なれる」「さける」「やり返す」「逃げる」といったシンプルな対応で済む場合を除き、大抵はその緊張がすぐにはほどけない状況が続くため、そのうち身体が疲れたり神経をすり減らしたりします。
この状態による疲弊で、私たちは、はじめてストレスを実感するわけです(反応→緊張→疲弊のモデル)。
職場で最も多いストレスの原因
ストレスを実感するとき、職場の人間関係にストレスを感じる方が多いという傾向があります(注)。
職場では、仕事上の立場・価値観・年代による常識感覚・個々の性格の強み弱み・雇用形態など、親しい人間関係以上に違いが大きく、多くの面で気を遣うことが原因だと思われます。
事前にストレスに気づく方法
疲れの頂点を迎えてからストレスに気づいたのでは、自分で対処できる範囲を越えてしまう心配があります。そのため、いくつかの不調が続いて「いつもと違う?」「自分らしくないなあ」と感じた時には念のため、ストレス状態をチェックすることをお薦めします。
現在では、個人で簡単にセルフチェックできるホームページ(中央労働災害防止協会)も公開されており、試すことができます。また、各企業では職場のメンタルヘルス対策を支援するチェックシステムを導入している企業もあります。
ストレスチェックの結果、安心できればそのまま様子をみて構わないですし、心配していた内容の結果や予想以上に悪い結果が出たときは、周囲の意見を聞きながらその状況に合わせた対処法を取るとよいと思います。
体と相談しながらするストレス解消法
ストレスを解消するには、体とよく相談することが必要です。
仕事に関するストレスは、個々の努力だけで取り除けるものではありません。同僚や家族の支援を仰ぎながら、必要に応じて管理監督者に相談し協力を要請しつつ、自分の健康は自分で守る工夫を続けていく必要があります。
さらに、私生活の心配事や悩みが重なると心身のバランスを崩してしまう可能性が高くなります。医療や健康相談の窓口を利用して適切な治療を受けることを考える必要もあります。
デリケートな問題であることが多いため、上司への相談や治療にも勇気が要りますが、ストレスがあることを認めて自ら相談することや、周囲や家族が気づいたところで早く対応するよう促していくことが必要となります。
アメリカ国立労働安全保健研究所の職業性ストレスモデルは、それらのポイントをまとめています。
[ケース別]
- 疲れている場合、睡眠だけでは神経の疲れはとれません。例え体の疲れを取っても、生活のリズムが乱れ気分転換ができなかったりすると、逆効果になることがあります。むしろ積極的に休む工夫をいくつも持っているとよいと思います。
- 人との付き合いに疲れている場合、マイペースでできる運動がいいでしょう。
- 一日中パソコンに向かう作業の場合、仕事以外の人のつながりを広げていくことが大切です。
- 仕事以外の付き合いが広がった結果、ほかの厄介ごとに巻き込まれる可能性もあります。別のことを考えると、その間はストレスの源を忘れることができるので、結果的にリフレッシュになることも珍しくありません。あれもこれも大変だと考えるより、その分疲れてよく眠れればその方がよいと鷹揚に構えることが大切だと思います。
- 緊張することが連続する場合、うまく身体の緊張をほぐせないときは、起きている時間帯にあえて身体をリラックスさせる取り組みをするといいでしょう。
リラクゼーションを初めとする身体を癒す方法が次々と開発されています。
自分に合ったものが見つかるまで色々と試したり、友人や家族の気に入っている方法を自分でも試してみたりしながら、レパートリーを広げて行けば「お金がないからリラックスもできない!」とさらにストレスをためなくてもよいと思います。
ストレスとつき合うための対処法
ストレスをすべてなくすのは不可能だと思います。そのためどう対処していくか、考えと行動のパターンを分類したものを、ストレスコーピング(対処法)といいます。
この分類の基本には「うまく対処できないことがストレスになるのだ」という前提があります。
引き金となる出来事よりも、対処がうまくいかないことの方がストレスになるというのは、人間はやはり複雑な生き物なのでしょう。
いくつかの分類法が提唱されていますが、
- 積極的に行動し解決する(問題解決・アドバイスを求める)
- 積極的に考えを整理する(計画立案・よい面を見つける)
- 消極的に行動し継続する(話を聞いてもらい冷静さを取り戻す・愚痴をこぼす)
- 消極的に考えを切り換える(大したことないと思う・楽観的に考える)
- 問題を回避し先送りする(時の流れに任せる・ほかのことで忙しくする)
- 気晴らしをはかる(旅行に行く・おしゃべり・買い物・賭け事)
その都度、合いそうな対処法を決めて選び、結果的に続けられそうだと思えた方法が一番いいということになります。
なるべく深刻に考えないように気をつけて、時間をかけて少しずつ慣れていくつもりでいると、余分な緊張が連続することを避けられると思います。
トッププロのスポーツ選手は、集中しつつリラックスした状態で競技に臨めるように、コンディションを整えていくといわれています。私たちの生活も、しなやかな体と落ち着いた心、行動力と集中力を保っていくことができれば、いきいきと過ごせると思います。
厚生労働省は、5年間隔で労働者健康状況調査を実施しています。平成20年発表では、職場の人間関係の問題が、38.4%あり、強い不安、悩み、ストレスの内容の1位となっています。
関連リンク
富士通ジャーナルでは、「ストレス」に関するアンケートを実施しましたところ、多数のご意見・ご要望をお寄せいただきました。下記よりアンケート結果ページをご覧いただけます。
[2009年8月25日 公開]
〔富士通株式会社 健康推進統括部 メンタルヘルスサービス部 臨床心理士 牧野 純〕
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