塩は本当にからだに悪いの?
世間では、「減塩」だの「塩分取りすぎ」だの、やたらと塩を控えるように言われています。本当に塩は悪者なのでしょうか。もちろん、食塩は血圧を上げる作用があり、塩分のとりすぎは動脈硬化を促進する要因となりますし、心臓に負担をかけたり、むくみの原因の1つとなったりします。また、糖尿病や高脂血症では塩分を控えるよう、医師から必ず指導があります。
しかし、塩は体を作る上で必要不可欠なもので、涙も、体液もすべて塩が必要なのです。古来日本人は、海から塩を取り食べてきました。塩は日本の伝統調味料である味噌、醤油の原料です。昔は、「塩を控えなさい」なんていわれていたのでしょうか。
今一度、塩の持つ良さを考え直してみませんか。
塩は生命を司る
人間の身体は、約60兆個の細胞でできていると言われています。塩はこの細胞内と細胞外の浸透圧の調節の役目をしていて、また体内の塩の濃度は腎臓で一定に保たれているため、細胞内外の浸透圧も一定に保たれているのです。
赤ちゃんは、お母さんのお腹にいる280日の間、羊水という塩水の中で育ちますし、生理食塩水が一時的に動物の血液の代用となったりもします。また、海水は皮膚の細胞から浸透し、薬としての効果もみられます。子供の頃、あせもになると海に入った経験ありませんか?また、アトピー性皮膚炎にも効果があります。
塩の効能
塩には様々な効能がありますが、身近に使えそうなものをいくつかご紹介します。
歯槽膿漏予防
塩で歯茎をマッサージすると、塩の殺菌作用が歯垢を防ぎまた、塩のにがりに含まれるカルシウムが歯のカルシウム分の流出を防ぎます。また、ナスのヘタをためておき、フライパンで黒焼きにして塩と混ぜて歯を磨くとさらに効果的です。
便秘
朝起きてコップ一杯の薄い塩水を飲むことで、腸の中はこの水分の圧力で動かされ、便が出やすくなります。
二日酔い
肝臓がアルコールを分解できずにアセトアルデヒドが体内に蓄積されると二日酔いになります。熱いお茶に塩を少し入れて飲むと、肝臓の回復が早まり、二日酔いの解消が早くできます。
風邪の予防
外から帰宅したらすぐに塩水でうがいをすると風邪の予防になります。また、のどが痛いと思ったら、ぬるめの番茶に塩を入れてうがいをすると、のどの炎症を鎮める働きがあります。なお、タバコの吸い過ぎなどで喉の調子が悪い時にも効果的です。
塩は化学物質!?
現在、食用として一般に出回っている日本の塩は、実は塩化ナトリウム99%のきわめて純度の高い化学塩です。世間で言われる、塩は身体に悪いというのはカリウムを含まない化学塩を食べるからなのです。
カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあり、人間の身体はもともと、不要な塩は対外に排出するようになっています。しかし、日本型食生活が崩れ、多くのナトリウムを含む、肉食中心の欧米の食事になり、おまけに化学塩を食べていたので、ナトリウムが排出されなくなったのです。
化学塩ではなく、昔ながらの海水を煮詰め、自然乾燥させた自然海塩が、本当に人間にとって必要な“塩”なのではないでしょうか。「減塩」しなくても身体に良い塩を食べたいものですね。
経営コンサルタント 塩地 亮子
[2006年9月11日 掲載]
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