緑茶が効く!前立腺ガンのリスクを軽減
最近、男性特有の前立腺ガンの死亡者が増えています。厚生労働省の人口動態統計によると、2003年度の前立腺ガンによる年間死亡者数は8,400人に達しています。今後、死亡者数の増加率は胆道や肝臓、結腸のガンを抜き、すべてのガンの中でもっとも高くなるのではないかと懸念されていますが、ある研究結果で、緑茶が前立腺ガンのリスクを軽減する働きがあることがわかりました。
前立腺ガンとは?
前立腺は、男性にだけあるクルミぐらいの大きさの分泌腺で、膀胱から出た尿道を取り巻くように存在しています。前立腺に起こる病気は、主に「前立腺肥大」と「前立腺ガン」に分けられます。前立腺肥大が良性なのに対し、前立腺ガンは悪性で、二つはまったく別の病気であり、同時に発生することはあっても肥大症がガンに変化することはありません。
前立腺ガンとは、前立腺の中にガン細胞が発見される病気で、前立腺ガンの発生には、男性ホルモンが関与しており、加齢によるホルモンバランスの変化が影響しているものと考えられています。1998年に厚生労働省(当時は厚生省)が発表した、人口10万人あたりの前立腺ガン罹患率によると、前立腺ガンになる人は65歳を過ぎると増え始め、75歳以上になると急増します。
前立腺がんが進行すると、トイレが近い、尿の出が悪く、排尿に時間がかかる、残尿感があるなどの症状が出てきます。ほかの臓器のがんとは異なり、ゆっくりと進行するため、早期に発見できれば、ほかのがんに比べて治りやすいがんであるといえます。
しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、発見が遅れることがあります。進行すると最終的には骨やほかの臓器にまで転移することがあるため、早期に発見し、適切な治療をおこなうことが大切になります。
最新の治療法「緑茶カテキン」!?
前立腺ガンには、「手術療法」、「放射線療法」、「ホルモン療法」など、さまざまな治療法がありますが、そんな中、前立腺ガンリスクの高い男性が1年間、緑茶カテキンを摂取したところ、ガンのリスクが低くなったという研究発表がありました。
これは、第96回米国癌研究会議の定例会議にて、イタリアの研究チームが、前立腺ガンのリスクの高い男性へ、緑茶カテキンを数年間にわたって経口摂取したところ、対照実験(注1)では30人中9人であったのに対して、緑茶カテキン摂取の実験では32人中たった1人にしかガンの発症が見られなかったとのことです。
なお、この研究の被験者は、1年以内に前癌性の病巣に前立腺ガンの兆候が見られ、何の治療もなされていない40~75歳の男性です。
(注1) 対照実験とは、実際の実験とは別に、実験の対象に対する一定の因子や操作の効果、影響などを調べる実験のこと。対照実験の結果と実際の実験の結果を比べることで実験の結果が正しく分かります。
緑茶カテキンあるいは、純粋なEGCG(注2)が、ガン細胞の成長を抑制し、良性の細胞を損傷することなく、特に前立腺のガン細胞を標的にする一方で、さらに細胞の消滅、あるいは消滅するとされる前立腺の細胞に関わる最も重要な遺伝子群が、カテキンの働きの仲介役にふさわしいということもわかりました。
(注2)EGCGは、お茶の渋み成分であるカテキン(ポリフェノール)中の50~60%を占め、1g中の緑茶中に50~100mg含まれます。
年配者や前立腺ガンの病歴がある家族を持つ人などのように、前立腺ガンのリスクが高い男性たちにとって、緑茶カテキンが前立腺ガンの予防に繋がるとのことです。
皆さんも、毎日緑茶を飲む習慣をつけてみてはいかがでしょう。
経営コンサルタント 塩地 亮子
[2006年4月26日 掲載]
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