~そんな病名知らなかった!~ 「ウィンター・ブルー」って何だ?
冬になると気分が沈む・・・
冬になるといくら眠っても寝足りない・・・
冬になると食欲が旺盛になって太りがち・・・
“冬になると”このような症状を感じるという人は少なくないのではないでしょうか。
「そう言われてみれば・・・」程度なら問題ないかと思われますが、「夏と冬では全く別人!」という程、激しく気持ちが変化する人もいます。
日常に差し支える程度の症状があれば、それは「ウィンター・ブルー」と言っていいかもしれません。
これは、「季節性感情障害(SAD:Seasonal Affective Disorder)」と呼ばれる、うつ病の一種で、ある特定の季節にだけうつ状態になってしまうというものです。冬に起こることが多いため「冬季気分障害」と呼ばれることもあります。
うつ病というとびっくりしてしまうかもしれませんが、実は、日本で「ウィンター・ブルー」と思われる人は10人に1人もいると言われています。
1980年代半ばに発見され、アメリカのノーマン・E・ローゼンタールという精神科医が、本にして世の中に広まった「ウィンター・ブルー」という言葉。それ以前の時代はそのような症状があっても、さほど困ることもなかったとか。いわば、「ウィンター・ブルー」は現代病なのかもしれません。
どのような症状になるのでしょうか?
開放的な夏に比べて“なんとなく落ち込む”気分になりがちで、寒いため動くのがおっくう・・・という気持ちは分かります。
ですが、それだけでなく、ウィンター・ブルーの人は「普段は問題のない簡単な動作ができない」「仕事でミスが増える」「人付き合いがうまくいかない」などの性格的な問題や、「明らかに睡眠時間が長い」「しかも眠りが浅い」。また、「炭水化物や糖分を多く摂る」ことにより太ってしまった。などの症状がよく見られるようです。
原因は?
なぜ起こるか、詳しいことはわかっていませんが、有力な説が2つあります。
ひとつめは、脳に「満足感」を作り出すといわれている脳内物質の“セロトニン”。これが多いと幸せを感じやすいと言われていますが、一年のうちで、冬にはかなり少なくなってしまうのです。それが何らかのかかわりがあるのではないかと言われていますが、はっきりした事はわかりません。
もうひとつは、“日照時間”。
日照時間が短い地域ほど、SADの発生頻度が高いというデータがあるようです。
光を浴びる時間が短いほど睡眠に影響があるため、体のリズムが乱れ、気分も落ち込む・・ということが考えられるようです。
対処・治療法は?
原因は分かりませんが、安心してください。対処法は確立されています。「光療法」です。光を浴びるだけで、70~80%の人に劇的な効果があり、1、2日で治ってしまう人が多いようです。
2500ルクスで2時間、1万ルクスなら30分浴びるのが目安で、この対処法に不安を感じる必要は全くありません。昼間、30分程度外で過ごせばいいだけなのですから。晴れたには10万ルクス、くもりでも1万ルクスほどの明るさがあるといいます。太陽を直視する必要はありません。
室内の照明を浴びることも可能ですが、たいていの照明器具は1000ルクスもありません。窓辺でも5000ルクス程度の明るさでしょう。
ですが、どうしても昼間外出できない人は、通常より照度を高くした医療用の照明装置も市販されています。
ただし、網膜が弱い人や光過敏症の人は光療法が向きません。抗うつ薬による治療となるでしょう。寒いからといって出不精になっていると、本当に「ウィンター・ブルー」になってしまうかもしれませんよ。症状のないうち、軽いうちに、冬の昼休みは“散歩”を習慣にしてみてはいかがでしょうか。冬になるとやる気をなくす社員を、明るい“窓際”に配置するのも手かもしれませんね!業績が上がるかもしれませんよ。
そうすれば気分よく冬を過ごし、春を迎えることができるでしょう。
経営コンサルタント 小林 桂子
[2004年1月 掲載]
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