オブジェクト指向原価計算モデル
消費者の多様化による多品種少量生産への移行や価格競争の激化により、継続的なコスト改善活動はますます重要になっています。一方で、これまでの積み上げ型の原価計算による情報では、原価改善を始めとする現場の活動や、企業活動の把握には不十分です。こうした中、新しい原価計算のモデルとして提案されているのが「オブジェクト指向原価計算モデル(注1)」です。
従来の積み上げ方の原価計算が不十分な理由のひとつは、構成要素に分解できない、または、元々の原価発生要因のデータに遡れない(不可逆性)ことです。つまり、原価情報を企業活動の把握や改善活動に役立てるためには、どのビジネスプロセスのどの活動がどれだけ価値を生んでいるか(いないか)、どれだけの単価・量の材料(部品)で構成されているかの情報が必要ですが、これが不十分です。
オブジェクト指向原価計算モデルでは、オブジェクト指向プログラミングの概念を原価計算に適用し、ITを活用することで、経営者から現場の改善活動まで有用な原価情報の提供を可能にします。
例えば、
- 財務的な業績結果に対して、現場のプロセス、活動における非財務指標(物量や単価など)の評価が可能となる
- 目標原価の設定や、目標原価を達成するための現場改善活動の評価が可能となる
- 現場改善活動やプロセス改革の、コストや経営成果への影響が把握できる
- 原価見積や材料費、為替の変動などの影響を把握できるなどです。
富士通では、この新しい原価計算モデルを実現するためのソリューション「RTCM:Real Time Cost Management」を提供しています。(注2)
(注1):一橋大学尾畑裕教授が提案している原価計算モデル
詳細は、http://obata.misc.hit-u.ac.jp/
(注2):同ソリューションの原型である新しい原価計算モデルの考え方は以下ご参照
(株)林總アソシエイツ
2006年11月 公開
〔富士通株式会社 コンサルティング事業本部 シニアマネージングコンサルタント 池田義幸〕
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