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新公会計制度

地方自治体の活動は、税金を原資として、福祉の増進等、住民の利便性を向上させる活動であると言うことができます。この活動は、議会の承認を得た予算を通じて、事前の統制の下で行うとされており、地方自治体の会計は、営利を目的とする企業会計とは根本的に異なっています。すなわち、予算の適正・確実な執行を目的とするため、現金主義・単式簿記が採用されてきた経緯があります。簡単に言ってしまえば、家計簿と同じで、収入と支出を記録することが主眼で、保有する資産の管理はしていないという共通点があります。

この弊害は、借金を短期の借入金で消した場合、そこで生まれた新たな借金の影響が見えない(フローはわかっても、ストックにつながらない)ということにあります。夕張市の破綻(財政再建団体への移行)は記憶に新しいところですが、標準財政規模44億円の地方自治体が、600億円以上の負債を抱えるまで、外部にわからなかったという、まさに今までの会計制度の弱点をついたできごとだったと言えます。

総務省では、平成18年5月に、「新地方公会計制度研究会報告書」を公表しました。この中で、新たな公会計制度の目的を、「資産・債務管理」「費用管理」「財務情報のわかりやすい開示」「政策評価・予算編成・決算分析との関係付け」などに置いています。そして、企業会計と同様、発生主義・複式簿記の考え方を導入し、貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、順資産変動計算書の4表を整備することとしています。8月には、各地方公共団体に対し、都道府県、人口3万人以上の都市については、3年をめどに、上記4表の整備、または4表作成に必要な情報の開示をするよう通知を出しています。

資産評価の方法、行政独特の仕訳の作成など、簡単にはいかない部分もありますが、新公会計制度の目的の一つである「政策評価・予算編成・決算分析との関係付け」の実現には、財務会計システムや税システム、予算編成システムなどの基幹システムが相互に連携できる必要があります。新公会計制度の導入に向けて、業務・システムの最適化、システム共通基盤の整備など、ITにも新たな動きが出てくると予想されます。

2006年12月 公開
〔富士通株式会社 コンサルティング事業本部 プリンシパルコンサルタント 河合正人〕

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