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グローバル流通 モノプソニー

古くから「モノプソニー」という言葉があります。直訳すれば「買い手独占」という意味ですが、近年の流通業のグローバリゼーションを論じる際には見逃せないキーワードです。

日本においても企業の買収話が毎日のようにマスコミで取り上げられ、流通業においてもコンビニ業界の再編、百貨店業界の再編など、最近でも話題にこと欠きません。これらの話題に最も敏感に反応しているのは消費財を作っているメーカーでしょう。なぜなら買い手(=川下)が強大化されれば、欧米で見られる付加価値(=利益)の川下への移行が始まるからです。

たとえばNB(ナショナルブランド)がPB(プライベートブランド)にシェアを奪われる構図です。すでにヨーロッパでは食品のPB化が急激に進んでおり、英国では上位5社の小売業者シェア合計が80%を越え、PBのシェアは45%に達します。こうなるとメーカーは取り分(付加価値)が減り、広告宣伝にコストを割けず小売依存度を高めざるを得なくなり、さらに小売側が強大化することとなります。

日本では欧米のようなあからさまな買い手独占状態は起こっていませんが、海外資本の本格的参入(某外資系スーパーマーケットはいまだ日本市場については「実験中」とされる)、それを迎え撃つ大手商社を軸にした垂直統合などが進んでいることからも、日本においても一気に寡占化が進む恐れもあるでしょう。
よって消費財のメーカー各社は、既存のマーケティングノウハウやしくみによる成功体験を捨て、いかに消費者の望む商品・サービスを構築し、モノプソニーが引き起こす「規模の勝負」に負けないようにするかというシナリオを組み立てていく必要性に迫られることとなります。
消費者と直接繋がる情報基盤の構築・活用などが今後の生き残り戦略のコア部分を形成すると考えられます。

[2009年6月4日 公開]
〔株式会社富士通総研 シニアマネジングコンサルタント 西田 武志〕

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