輸出加工区(中国)
生産拠点の海外シフト、特に中国への生産拠点進出は、非常に多く見受けられる企業戦略のひとつです。もちろん、生産拠点の海外シフトにより国内が空洞化する等、様々な問題が指摘されてはいますが、製造原価を削減する戦略のひとつとして海外への生産拠点シフトは未だ有用な施策として考えられています。
これを受けて中国政府は、輸出加工企業、更にそれに携わる倉庫業・運送事業者を対象として、加工貿易の拡大と集中管理を目的とした輸出加工区というゾーンを2000年4月より設置しています。今や輸出加工区は、上海や杭州等、中国国内の沿海部を中心に広域に渡って設けられていますが、端的に輸出加工区を説明するならば、『中国国内の外国』という言葉が最も理解しやすいと思われます。
例えば、部材を日本から輸出加工区向けに搬入した場合、中国国内においては全額保税扱いを受ける事ができるだけでなく、製造設備等は一律免税措置を受ける事もできます。更に区外から区内に部材を調達した場合、増値税(中国国内で貨物の販売または加工、修理、修理と部品の取替え補充という労務に提供及び貨物を輸入する機関と個人に課せられる税)の還付を受ける事もできます。つまり輸出加工区は、保税区と比べ、土地代や建物使用料が安価であるだけでなく、税面での優遇措置や通関リードタイム短縮・通関手続き簡素化などのメリットも享受する事ができるわけです。
しかし一方で輸出加工区では様々な規制もあります。例えば輸出加工区域内の運送業務に携わる事ができる業者は限られています。つまり特別に認可を受けた運送事業者のみが輸出加工区域の搬出入ができるのです。更に区外への販売も制限されています。
このように中国への生産拠点シフトといっても,お客様の事業方針によって採択すべき立地は、大きく変わってきます。お客様の事業方針を踏まえた上で最適なゾーンへ拠点進出しなければ、結果として製造原価の削減が達成し得ない可能性があり、この段階から私たちが的確なコンサルティングをご提供する事こそが最も重要であると認識しています。
2005年4月 公開
〔富士通株式会社 コンサルティング事業本部 マネージングコンサルタント 沖原由幸〕
この記事は、お客様の変革と成長の実現をご支援する 株式会社 富士通総研が提供しています。
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