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CRMから「e-CRM」へ

これまでコンタクトセンターやDMを主要な顧客接点としていたCRMに対し、2001年頃、Webサイトやeメール等のインターネットチャネル(eチャネル)を顧客との接点として取り入れた「e-CRM」という言葉が登場しました。その後ブロードバンド化するインターネット環境の変化、携帯電話やPDA等のモバイル端末の普及、それに伴う消費者の生活スタイルの変化等の流れの中で、eチャネルは顧客と企業との主要な接点となり、「e-CRM」は企業の経営戦略の一端を担うまでになっています。

従来のCRMでは、電話や店舗、DMなどのチャネルを使って、商品やサービス購入後の満足度を向上させることで、お客様との継続した取引を実現することを目的としていましたが、「e-CRM」では、見込み客の段階から顧客ニーズを捉え関係を構築することにより、自社の顧客へと誘導を促すことが可能になります。

例えば、携帯電話の着うたサービスをインセンティブとし、eメールアドレスを収集。収集したeメールを使って、消費者を商品購入に導くという方法があります。eメールには、キャンペーンサイトへ誘導する情報やアンケートなどを掲載します。そして、選んだ着うたの種類、キャンペーンサイトへの誘導率、キャンペーンサイトで閲覧した情報の種類、企業サイトへの誘導率、などのデータをもとに、よりセグメント化された情報を繰り返し提供することによって、商品購入へと誘導します。一度購入した顧客に対しては、購買履歴や趣味・嗜好などの属性に基づいたルールを作成し、提供する情報の組み合わせを自由に設定することができます。

このようにeメールやWebサイトなどのeチャネルを使うことで、従来の紙のDMと比べ、より、個別のニーズに対応した情報提供や商品プロモーションが可能となります。「e-CRM」では、顧客が何を求めているかの仮説設定と検証を繰り返し行うことで、効果的なCRMを実現していくのです。

Web2.0時代をむかえ、eチャネルを接点として、顧客との関係構築の方法や関係そのものが変化しています。ブログなどの活用により、ある時は顧客が企業の側に立ってメッセージを発信したり、顧客が発信する情報によって新たなサービスや商品が生まれたりと、企業にとって顧客は「一利用者」から、「サービス提供の協力者」へと変化しています。顧客と企業の関係が変化する中、企業戦略と多様なチャネルの特性を理解した上で、顧客とのコミュニケーション方法を設計し、商品やサービスの価値を的確に伝える「e-CRM」の考え方や仕組みが今後ますます必要になってくるでしょう。

CRM: Customer Relationship Management
DM: Direct Mail

下記記事もあわせてご覧ください。
新時代にむかう「e-CRM」 (富士通ジャーナル 2006年7月号)

2006年9月 公開
〔富士通株式会社 コンサルティング事業本部 シニアマネージングコンサルタント 金子弘介〕

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