クラウドコンピューティング
「クラウドコンピューティング」は、近年のIT業界の流行り言葉とも捉えることができ、さまざまな場面で用いられているものの、はっきりした定義がなされているわけではありません。
一般には、「ユーザーがさまざまなITリソースをインターネット経由で社外から調達し、サービスとして利用するコンピューティング形態」と考えておいてよいでしょう。
利用者側からみると、クラウドコンピューティングとは、これまでであれば社内で管理・保有していたハードウェアやソフトウェアといったITリソースを社外に置いてサービスとして調達することを指しています。この考え方は、オンプレミス(on premise:自社で運用するシステム。主に自前のシステムや、自社内だけに導入するシステムなどを指す)の対義語としての意味を包含しています。
ユーティリティコンピューティングを始めとする、過去に語られてきた未来のコンピュータの利用形態が、ブロードバンドインフラの普及や、さまざまな技術革新などによって可能になりつつあることが、近年のクラウドコンピューティングという言葉への注目に繋がっています。
たとえば、インターネット上のコンピューティングリソースを結びつけ、ひとつの複合したコンピュータシステムとしてサービスを提供するグリッドコンピューティングの技術、コンピュータシステムを構成する資源を、物理的構成に拠らず柔軟に分割・統合する仮想化の技術、および大規模システムを「サービス」の集まりとして構築するSOA(Service Oriented Architecture)の発想と、これらに関連する技術、あるいはこうした技術革新をもとにしたビジネスモデルの進化がクラウドコンピューティングというITリソース利用形態の進化を支えています。
[2009年8月24日 公開]
〔株式会社富士通総研 経済研究所 主任研究員 湯川 抗〕
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