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第2回 BCPコンサルティング

富士通ではお客様の経営課題を見いだし、ビジネスを成功へみちびく戦略立案のご支援をおこなっています。今回は、DR(ディザスタリカバリー)コンサルティングの事例として、大手製造業の取り組みをご紹介します。

ポイントは「復旧のプライオリティ」と「ビジネス損失分析」

A社様は、販売サーバの集約にともなう一極集中リスクを低減し、被災時のビジネス損失の回避と、CSRの履行を目的に、販社システムの災害対策の検討を開始されました。以降、A社様に対し実施したDRコンサルティングの内容についてご説明します。

(1) 適用範囲の定義/ビジネス影響度分析

A社様の販売システムには、大きくサービス、部品販売、販売、中古販売の4つのシステムがありましたが、被災時にこれら4システムすべてを復旧させると、投資額が大きくなるため、われわれは、4システムそれぞれについて、システムが停止した場合のビジネスへの影響度を分析し、どのシステムを優先的に復旧すべきかについて検討しました。ビジネスへの影響度は以下の2つの観点で検討しました。

  • 該当システムが停止した場合、企業が責任をはたすべき相手
    (社会、投資家、取引先、従業員) にどれだけ影響をおよぼすか
  • 該当システムが停止した場合、その代替を手作業で実施できるか結果として、社会への影響および、1日の処理件数の多さを考慮し、サービス、部品販売のシステムの復旧を優先しました。

(2) 復旧リソース分析

続いて、サービス、部品販売のシステムを復旧するために必要なリソース(ハードウェア、ネットワーク、データなど)の洗い出しをおこない、被災時のシステムの復旧方式を3案(松竹梅)企画しました。

(3) リソース確保方式の検討/ビジネス継続プランの作成

最後に、システム復旧方式3案それぞれについて、ビジネス損失分析を踏まえた費用対効果の検討を実施しました。ビジネス損失分析の実施要領は、以下の通りです。

  • まず、現状(災害対策を何もおこなっていない状態)のまま被災し、システムが停止した場合、ビジネス損失がどの程度発生するかをシミュレーションによって算出
  • 一方、上記3案それぞれの対策を施した場合、ビジネス損失をどの程度回避できるかを算出

その結果、現状のまま被災した場合、およそ110億円のビジネス損失が見込まれるのに対し、たとえば竹案(注)の場合だと、8,300万円(5年間の総額)の投資で、ビジネス損失を約86億円回避できることがわかりました。

ビジネス損失分析の結果を踏まえ、最終的にA社様は竹案を採用されました。この案は投資額がおさえられる一方で、投資効果が非常に高く、十分にA社様の満足を得ることができました。

(注) 竹案の概要
A社様のマシン室に対する防災対策 (地震対策としてマシン室に免震床を設置したり、火災対策として窒素系消火装置を設置)をほどこしたうえで、それでも被災時に故障する可能性のある部品(たとえば地震の揺れに弱いディスクなど)については、あらかじめ外部の安全な場所に確保しておくソリューション。

CSR:Corporate Social Responsibility(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティの略。企業の社会的責任のこと)

2004年12月 公開
〔富士通株式会社 コンサルティング事業本部 シニアコンサルタント 矢ノ根俊之〕

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