第1回 なぜ今、e-文書か
2004年11月に成立した通称「e-文書法」。その施行により変化する文書管理、求められる書類の電子化の対応について、富士通グループのコンサルタントが3回に渡って解説します。
e-文書法とは
2004年11月19日に国会にて、通称「e-文書法」が成立しました。次年度(2005年度)4月1日からの施行が予定されています。
「e-文書法」は、e-JapanIIの一角を成すもので、民間企業に対する「紙」文書の法的保存義務を、原則的にすべて電子保存してもよいとする法律です。既存の法律では251本がその対象となります。
税務文書をめぐる法律の遍歴
税務文書の分野では1998年に「電子帳簿保存法」が成立し電子帳簿が認められるようになりましたが、この際、取り引き相手と「紙」で取り交わした請求書や領収書などをスキャナで読み取って電子化保存することは認められませんでした。
その後、e-Japanの推進を背景に電子文書を認める法的整備は進展しましたが、これらはあくまで電子的にやりとりが完結する場合に限られており、一旦、「紙」で取り交わした書類は「紙」のままで保存することしか認められていませんでした。
これに対し、文書の保管コストの削減を目的に、税務書類の電子保存の容認を経済界が強く求める動きが2003年度にありました。
この活動は、日本経団連を中心としたもので、今年3月の報告書には、税務書類の保管コストは経済界全体で3000億円であるという試算値が掲載されています。
「e-文書法」は、コスト削減・業務効率化を追及する民間からの要望と政府のe-Japan戦略が理想的に出会い、ITをベースとした「規制緩和」として結実した結果と言えるでしょう。
これによって、一部の例外を除き、電子化が認められていない分野はなくなったとされています。

[2004年12月 公開]
[富士通株式会社 コンサルティング事業本部 マネージングコンサルタント 小林潔]
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