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イントラネット安定稼動実現に向けたコンサルティング事例
システム性能、信頼性、セキュリティ、運用性検討の際の合意形成に向けて

イントラネットの安定稼動の実現のために、構築初期であるシステム用件定義工程を理論的に評価するコンサルティングについて、富士通グループのコンサルタントが語ります。

イントラネットの安定稼動の実現に向けた取り組み

私たちは、ある大手地方銀行のイントラネットの開発・運用を請け負っているA社様に対して、イントラネットを安定稼動させるための「処方薬」を提供しました。

商談はA社取締役の“嘆き”から始まりました。

それは、「銀行の現行のイントラネットは導入当初より障害が多発している。近々、全面再構築する予定だが、前回と同じ進め方をしては何も変わらない。」というものでした。

非機能用件の検討

私たちは、まず「症状」の深刻さを、過去の全障害を分析することで把握し、そのうえで「症状」が起きている根本原因(問題を作りこんでいるプロセス)をCOBIT(注1)などを活用しながら調査しました。

根本原因は、システム要件定義工程における非機能要件(注2)の検討にありました。非機能要件が曖昧であったため、実現手段の選択を誤り、「未然防止できたはずの障害」を多く作りこむ結果となっていました(全体の約3割はこれに該当)。

この問題に対する「処方薬」として、私たちは、システム要件定義工程において検討すべき重要な非機能要件(今回の対象は、性能・拡張性、信頼性、セキュリティ、運用)約100項目とそれら要件を実現するためのアーキテクチャー要件(たとえば、信頼性要件であれば、二重化方式などのこと)の一覧を作成しました。

また、イントラネットの各サービス機能(電子メール、ポータル、認証などといった単位)における非機能要件の閾値基準を導くための評価方法を定めました。

簡単に言うと、たとえば、「電子メールサービスの稼働率は何%とすべきか」を決めるための考え方です。

コンサルティング終了後、お客様の取締役からは「これで銀行に対して、システム構成や運用レベルをなぜそうすべきなのか論理的に説明することができるようになり、(安定稼動に向けた必要投資の)交渉が円滑化される。将来的には銀行とのSLAの締結も視野に入れて活用していきたい。」という声をいただきました。

今回の成果は、イントラネットのみならず、業務系システムの非機能要件、アーキテクチャー要件を検討する際にも応用できると考えていますので、システム構成の検討や、検討内容の利害関係者間での合意形成でお困りの場合などは、ぜひお声を掛けていただければと思います。

(注1)COBIT : Control Objectives for Information and related Technologyの略。アメリカ情報システムコントロール協会(ISACA)が提唱するITガバナンスの成熟度を測るフレームワーク。

(注2)非機能要件 : 富士通では「性能・拡張性」「信頼性」「セキュリティ」「保守・移植性」「ユーザビリティ」「運用」の分類で定義。

SLA : Service Level Agreement(サービス・レベル・アグリーメントの略。通信サービスの事業者が、利用者にサービスの品質を保証する制度。)

ISACA : Information Systems Audit and Control Association(140ヶ国超にわたり、80,000人以上の会員を擁する。情報テクノロジーのガバナンス、コントロールおよびアシュアランスに関する世界的活動をする。)

[2007年9月 公開]
[株式会社富士通総研 シニアコンサルタント 佐藤秀之]

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