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金融業界の新潮流とコンサルタントの活用について
-A証券会社グループの新規分野進出コンサルティング事例-

金融の規制緩和により、あらたな戦略分野に進出した証券会社でのコンサルティングを事例に、専門性の高いコンサルタント活用の重要性について解説いたします。

活発化する投資活動

長く続いた量的緩和政策が2006年3月に解除、7月のゼロ金利解除という金融政策の変化、銀行法改正による銀行代理業の解禁を始めとした新たな規制緩和施策の実施などにより、いわゆる「バンキングビジネス」が再び注目を集める時期が訪れつつあります。
すなわち、銀行の預金や貸出に相応の金利がつく時代が再びくるわけです。これまで戦略上ある意味プライオリティを下げてきた預金・貸出といった銀行機能を活かしたバンキングビジネスの本格的な展開ができるようになるのです。
一方、環境面では長く続いた超低金利状況から、さまざまな金融商品が登場し、「貯蓄から投資へ」の流れは確かなものとなり、多くの皆様が投資知識や投資意欲をかつてないほど高め、投資活動を活発化させています。数十年前の過去の「金利がついていた時代」とも状況は一変したわけです。

このような投資活動にともなって発生する資金の流動性ニーズに、新たな銀行機能が応えていくという循環を作るチャンスも生まれると考えられます。この流れを、既存の銀行業では「追い風」と捉え当該分野への投資を活発化させ、また異業種では自社の強みとのシナジー効果により新たな収益機会の創出、自社グループ内の金融機能の強化などを目指して、銀行代理店制度の活用、銀行業への参入を再び検討するお客様も増えており、当本部へも業種・業態を問わず関連の相談、コンサルティング案件が増えております。

銀行代理業へ進出するA証券会社様

今回は、証券グループであるA社様グループの銀行代理業進出に関するコンサルティング事例をご紹介します。

本件は

  • 証券会社が銀行業に進出
  • 銀行代理店に関する制度改定による異業種参入第1号
  • 「リアル(代理店制度活用)+ネット(インターネットバンキング導入)」という新スキーム
  • 同グループ内(証券&銀行)でシステムも含めた初の本格連携

と、初モノづくしで業界内でも高い注目を集めた案件です。

この案件では当社コンサルタントが商談開始の初期段階から参画しました。提案においては「富士通の金融分野における基幹系システム、ネットバンキングなどのシステム構築の実績」+「参画コンサルタントの有するバンキングビジネスに関するノウハウ」を充分にアピールし獲得に成功いたしました。
プロジェクト開始にあたっては、関係部署、開発ベンダー、ステークホルダーなどが複数・多岐にわたることもあり、サービス開始まで同グループのメインベンダーであるB総研と共同の準備室を設置することを提案、立ち上げをおこないました。一昨年(2005年)12月からの9ヶ月間(フェーズ1.0)、2名のコンサルタントがほぼ常駐し、プロジェクト全体の進捗管理・推進、グループ関係者・開発ベンダーSEなどの間の調整、現場の業務設計から定着化まで、本プロジェクトを全面的に支援・推進し、無事システム稼動・サービスを開始するにいたりました。

コンサルティングから新戦略分野におけるパートナーへ

成功のポイントとしては、専門性の高いコンサルタント(本件の場合、業務面:銀行の企画・営業部門出身者、システム面:銀行システム担当経験豊富なSE経験者)がつねにお客様先に常駐することで、キーパーソンおよび企画・システム・現場担当者と信頼関係を築いた上で、当社の開発部隊・営業担当と密に連携をおこなったことがあげられます。
グループ全体としても新戦略分野案件、新規事業進出・新業務展開であることによる、

  • 仕様に関する考慮モレ、認識のズレ
  • 企画・検討・開発・テスト参画者が多岐にわたることによる、コミュニケーション・情報共有の不足
  • 制度面、技術面、スケジュール面の制約
  • お客様の漠然とした不安

など、開発における多くの課題についても解決に尽力しました。

フェーズ1.0について無事システム稼動・サービス開始した現在もお客様から強い要請があり、その年明けからおこなった本格的サービス展開、次フェーズ(フェーズ2.0)におけるサービス拡充検討などにも引続きグループ外の人間として唯一参画をしました。また、プロジェクト推進・検討の過程でグループ全体の戦略企画関係者(経営層、営業企画・商品企画・IT戦略部など)とのパイプも確立し、当社としてこれまで入れてなかった部門・分野での取引深耕への足がかりができ、あらたな商談も多数相談いただけるようになりました。

新規・戦略分野への展開・進出を検討・推進される際はコンサルタントの活用を考えられてはいかがでしょうか。また関連してお困りのことなどありましたら、当社までぜひご相談ください。

2007年1月 公開
〔富士通株式会社 コンサルティング事業本部 シニアコンサルタント 桝本憲司〕

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