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フィールドワークを活用したコンサルティング手法とその効果

フィールドワーク調査は、実際の現場社員に密着型で観察調査をし、システムの活用、業務のムダ・ムリ・ムラの発見、暗黙知の表出、情報交換の内容や方法など、インタビューではわからない生々しい業務の実態を詳細にフィールドノートやフローとしてドキュメント化することで、事実を詳細かつ正確に捉えた後に課題を検討し、事実起点で間違いのない業務改革案、ITシステム検討を可能とします。


[連載索引]   フィールドワークを活用した手法とその効果 |  活用事例(食品関連企業、商社) |


企業を取り巻く環境

内閣府の経済財政諮問会議の発表(2007年4月)によると、日本のサービス産業別の労働生産性は、米国に比較すると明らかに低いという結果が出されています。
米国の生産性を1とすると、全産業合計で、0.6程度です。各産業では、電気・ガス1.1、金融仲介0.9、建設0.7、通信業界0.7、卸・小売0.5、運輸など0.5、飲食・宿泊0.4、ビジネスサービス0.3となっております。

特に、ホワイトカラーの生産性、サービスプロセスの効率の悪さ、ITシステムの利用による業務効率化で米国に遅れをとっているようです。
ますますのグローバル化の進展を考えますと、このタイミングで早急に解決すべき問題と言えるでしょう。

自社の業務を今一度、見直し、業務改革とITシステムを最大限に活用した競争力のある効率・効果的な業務再構築していく必要があると考えています。

なかでも重要なのは、事実起点で客観的に現状を捉え、課題をまとめていくことです。
なぜなら、今までの企業における課題とは、たとえば「組織間の壁による情報の分断」など、非常に抽象的なものが多く、そこから出てくる施策も「部門間交流の場を設けましょう」などで、皮肉っぽく言えば、現状でさえ多い会議をまた1つ増やすだけの結果になりかねません。

本当に課題を解決するためには、まず事実起点で客観的に事象を捉えることが必要です。
つまり、「どこの部門間が」「どのタイミングで」「誰と誰が」「どのような内容を」「何の媒体で」「どのような方法で、情報交換しているのか」を知ることができて初めて、事実を捉え課題として解決施策に結びつくのだと考えています。


フィールドワークの概要・必要性

現場の業務事実を整理し、新たな業務プロセスを検討していくうえで効果的な調査方法として、フィールドワークがあります。
フィールドワークとは、現場を観察し、そこでの現象を詳細に分析する、主に社会科学分野でおこなわれている手法です。

富士通では2004年より、社会科学分野でのフィールドワークに豊富な経験を持つ米国パロアルト研究所(PARC)()および富士通研究所と連携して、社内のプロジェクト現場にてフィールドワークを実施し、社内改善・革新活動に取り組んできました。

そしてこの手法を、お客様のビジネス実態を可視化・把握して変革に繋げていく起点とするために、「ビジネス・フィールドワーク」として、実践を通じて富士通独自に開発・体系化しました。

フィールドワークが他の調査方法と比較し優れた点は、下記のようなものです。

  1. 社員に密着して調査するために、どのようにシステムを利用しているのかを実際に、その場で確認し、システムの使い勝手を可視化できる
  2. 業務を社員の流れで追うことにより、そこで発生しているムダ・ムリ・ムラを発見できる
  3. 社員に密着して調査をおこなうために、業務をおこなううえで活用している暗黙知を形式知化できる
  4. 社員に密着して調査するために、上司・部下、部門間、お客様とどのように情報を交換・共有しているのかを可視化が可能
  5. アンケートの質問項目や回答内容では表現できない実態の背景を、理解することができる
  6. 組織管理力、チームワークを測るうえで重要なラポール(親密な結びつき、信頼関係)のレベルが明確にできる
  7. 社員では当たり前になっている日常業務・システムの流れを第三者が観察することにより、本質的な問題の指摘や新たな気付き・課題を指摘することができる

フィールドワークを活用したコンサルティング手法 プロセスの紹介

フィールドワークを活用したコンサルティングは、4つのプロセスを経て、約3ヶ月程度で課題を解決するための業務の改善とIT技術活用のポイントを組み合わせて施策化し、優先順位をつけ体系化していきます。

フィールドワークコンサルティングは、4つのステップに分かれたプロジェクトプロセスを踏むことで、効率・効果的に企業の現状・課題を短期間で可視化します。

1.経営者インタビュー

全社課題認識と将来計画について大枠で把握

2.業務サイクル・業務分析・業務フロー作成

フィールドワーク調査前に、業務を理解し、課題を仮説レベルで把握

フィールドワークコンサルティングでは、現場での実際の事象を記録したフィールドノートを用います。

3.フィールドワーク(現場業務調査)

  • フィールドワーク被験者に密着し、細かい会話レベル・業務処理・電話業務の観察、利用ドキュメント・利用システムの確認、会議への参加、顧客商談の同行、業務ドキュメントや業務方法などの写真撮影、業務ごとの時間計測や当事者ではもはや気づかない習慣のレベルまで掘り下げた業務実態をフィールドノートに記録
  • 複数担当者に密着することにより、仕事の仕方、立場、場所による仕事の違いなどを把握
  • コンサルタントの視点から「戦略、業務、IT、組織、人・風土、管理・ノウハウ」の観点で気づきを抽出

例)業務フローによる調査で、得意先商談がトリガーでないメーカー商談または単なるメーカーの情報提供商談があることで組織間の連携不足が発生している気づきを得られた。

4.集中ディスカッション・調査結果分析

  • 現場・経営層とともに、事実に基づいて、課題を討議し体系化
  • 課題を解決するための経営・業務・IT施策の検討
  • 緊急度、重要度、効果度を基に優先順位付けの実施

用語解説

(注)パロアルト研究所(PARC):
米国カリフォルニア州に本社のあるゼロックス
100%出資のIT分野の名門研究機関です。世界初のレーザープリンタ技術(1971);
GUI基本概念(マウスなど)(1973);クライアントサーバ方式(1973);
イーサネット(1973);ユビキタス(1988);Eureka(フィールドワークによる
生産性向上KM)(1990年代半ば)など多数の研究実績。

フィールドワークを活用した事例(食品関連企業、商社)をご紹介

[2008年6月2日 公開]

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