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物流分野におけるIE(Industrial Engineering)手法の適用

IE手法の活用による物流分野の生産性・現場力向上に貢献するコンサルティングノウハウついて、富士通グループのコンサルタントがご紹介いたします。

ムダの顕在化に効果を発揮するIE手法

IE(Industrial Engineering)手法は20世紀初頭のF.W.テイラーによる科学的管理手法やF.B.ギルブレスの動作研究がその基礎となっています。また、わが国においても戦後復興時より幅広く活用されてきた手法であり、特に生産分野において現場のムダを顕在化させる重要な手法としてながく活用されてきました。

では、ムダが潜在する領域は生産分野だけなのでしょうか。

実は倉庫内物流分野にも多くのムダが存在しています。そしてそのムダを顕在化させるために、IE手法は多大な効果を発揮するのです。

物流の倉庫内作業には『ピッキング』『検品』『積込み』『出庫』というさまざまな作業が存在します。この各作業を『工程』と置換した場合、じつは生産ラインにおける工程管理と全く同様の発想が適用できるのです。つまり、整流化・停滞レスを疎外するムダを、IE手法を駆使し顕在化することが物流現場においても有効であるということです。

IE手法の物流分野への適用

たとえば、IE手法における工程分析(注1)を物流に適用することは非常に有効です。工程分析において、ある特定の商品の流れに着目し、その商品が各物流分野の『どの工程で』『どれくらい停滞しているか』を顕在化させることは、倉庫内レイアウトの改善、ひいては作業者への指示の与え方を改善する重要な基礎データとなるのです。

物流事業者A社での適用事例

物流事業者A社は、倉庫内作業の『生産性』の向上を経営課題として挙げられていました。そこで、まずはLEPカード(注2)にて『目標管理』『5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)』『運用手順』『倉庫環境』の側面から、現状の課題抽出をしました。それにより『生産性』を悪化させている要因が、庫内作業者ピッキングエリア間の動線錯綜にある事が判明したのです。これを解決するため、IE手法の動線分析にて錯綜箇所の特定をし、さらにABC分析も併せて実施することで、生産性の高いレイアウトに変更することができました。結果として生産性が10%向上し、あわせて作業品質も10%向上したのです。

IE手法を活用した富士通のコンサルティング

このように『IE手法による動線分析』と当本部が開発した『LEPカード』のエビデンスを提供することは、エビデンスプロバイダー、さらにはプロデューサーとしてもお客様の現場力向上に大きく貢献できるのです。

また、IE手法の弱点として皆さんが想起なさる『IEを実施する際の作業』についても、ITと融合させることで解決することが可能です。たとえば、被観測者(作業者)を観測者が追うということが前提であった動線分析は、そのデータ取得に多大な手間がかかっていました。しかし現在では、作業者に対しアクティブRFIDを装備させ庫内動線を自動的に把握することが可能です。これにより、データを取得する手間を省くだけでなく、人間では追いきれなかった詳細な動線までも把握することができるのです。

富士通は、『現場主義』に則ったIE手法を駆使したコンサルティングメニューもご用意しております。お客様の現場力が向上することは、結果として富士通がご提供するWMS(Warehouse Management System)(注3)の最大限の効果を発揮させる礎ともなるのです。

(注1)工程分析:
IE手法の方法研究領域における代表的な手法のひとつ。
材料や部品が加工されながら流れていく順序を、製品または作業者について、決められた記号を用いて分析・図式化し、根本的に工程の流れを改善するための手法。
(注2)LEPカード:
Logistics Evidence Produce (ロジスティクス エヴィデンス プロデュース カードの略。
富士通コンサルティング事業本部が物流現場における可視化を目的として開発した現場診断チェックリスト。
目標管理・運用手順などの側面よりスコアリングをおこない、既存の課題を抽出するコンサルティングツール)
(注3)WMS(Warehouse Management System):
(ウェアハウス マネジメント システムの略。倉庫内作業を支援する物流倉庫管理システムのこと。
検品・格納・ピッキング・積込みなどの倉庫内荷役作業を支援・管理する情報システム。)

RFID: Radio Frequency IDentification(アール エフ アイ ディ/ラジオ フリクェンシー アイデンティフィケーションの略。無線を使った認識システム。ICチップのこと。)

2006年7月公開
〔富士通株式会社 コンサルティング事業本部 マネージングコンサルタント 沖原由幸〕

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