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環境負荷の低減には、
自社のCO2排出量の削減に留まらない地球規模の視点が必要

写真左から、山崎誠也、朽網道徳統括部長

北極海の氷面積の劇的な減少、地球温暖化による世界各地の異常気象など、地球環境問題に関するニュースは後を絶たない。今や環境問題は日常の話題であり、企業においてもその社会責任や企業姿勢を問われる指標になっている。 富士通は1935年の創業以来、緑あふれる工場の建設や工場の廃水を再利用した噴水の設置など、一貫して自然と共生するものづくりを推進してきた。そしてこの度、グリーンITによるお客様の環境負荷低減プロジェクト「Green Policy Innovation(グリーン・ポリシー・イノベーション)」と称する取り組みを開始した。このプロジェクトの概要やコンセプト、そして環境活動に懸ける想いを環境本部、環境企画統括部長の朽網(くたみ)道徳と山崎誠也に聞いた。


自分たちの排出量の削減はもとより、お客様のフィールドまで踏み込んで

朽網道徳統括部長

朽網は1978年に入社し、ここ10年間は環境負荷低減のための材料開発や技術開発を一貫して担当してきた。たとえば植物性プラスチックをハードウェアの筐体に応用するなどはその一例だ。この実績と経験を環境本部で活かしている。

「環境本部の活動は大きく2つの機能を備えています。ひとつは環境企画で、全社の環境に関する企画や戦略立案、営業支援、環境ソリューションの支援を主業務としています。もうひとつは、環境技術推進であり、工場での環境保全やプラットフォーム製品のエコデザイン推進などを主業務としています。」

朽綱も山崎も共に環境活動の企画、戦略立案を担当している。富士通グループの環境経営の基盤、および新たに始動した「Green Policy Innovation(グリーン・ポリシー・イノベーション)」がどういうものかを朽綱に聞いた。

「富士通グループの環境経営の基盤は、すべてをグリーン化することを目標として『5つのGreen Policy』で構成されています。『グリーンポリシー21』と呼ばれる行動コンセプトです。これに従いプロジェクトが進められています。
2006年に取得したISO14001のグローバル統合認証を基礎とし、世界規模の環境マネジメントシステム(EMS)を国内外に広がるサプライチェーンに則すよう構築したことにより、企業グループとしてのガバナンスを一層強化できるようになりました。
さらに、より効率的で実効性の高い環境活動を展開するとともに、グループが一体となり環境活動を推進しています。この環境経営に関する活動を「Green Policy Management(グリーン・ポリシー・マネジメント)」と称し、また地球環境に貢献するという意味合いから「Green Policy Earth(グリーン・ポリシー・アース)」と題して、社員による環境社会貢献活動や環境教育の拡充をはかっています。
これらを土台と柱にして、地球環境に配慮した製品作りを実践しており、この環境配慮型製品環境技術開発が「Green Policy Products(グリーン・ポリシー・プロダクツ)」です。
また、「Green Policy Factories(グリーン・ポリシー・ファクトリーズ)」と称して、地球環境に配慮した生産活動、ファシリティ活動を推進しています。
現在の中心的な課題は、環境負荷低減効果の高いITを駆使していかにお客様の業務効率化を支援し、循環型社会を実現するかということで、この課題を実現するための環境ソリューションを創出し、提供する活動を「Green Policy Solutions(グリーン・ポリシー・ソリューションズ)」と称しています。


グリーンポリシー21

こうした長年の環境活動により、多くのノウハウや技術が生まれています。これら最新テクノロジーを活かした製品・サービスを順次ご提供することで、お客様における「ITインフラの環境負荷低減」と「IT活用による環境負荷低減」、ひいては社会全体の環境効率向上を目指そうと始まった活動が「Green Policy Innovation(グリーン・ポリシー・イノベーション)」です。自社の環境負荷低減は言うにおよばず、お客様のフィールドまで踏み込んで地球規模での環境負荷低減に貢献しようというものです。ITが環境負荷の低減に貢献できることを社内のみならず産業界にメッセージの形で発信していかないと日本の産業は縮小してしまうでしょう。」

90を超える、お客様との共同プロジェクトの実績と自信

富士通はこの4年間でお客様のフィールドにおいて累計700万トン以上のCO2削減を目指している。その内訳はIT機器自身の省エネが76万トン、ソリューションの提供を通じた削減が630万トンだ。これを達成するためには自社での努力はもちろんのこと、お客様とのコラボレーションは欠かせない。


Green Policy Innovation(グリーン・ポリシー・イノベーション) が掲げる目標値

「富士通では独自に、IT活用による環境負荷低減を測る環境影響評価手法を使い、この基準をクリアしたソリューションを環境貢献ソリューションとして認定しています。この3年間、地道に努力してきた結果、90を超える認定ソリューションが誕生しています。大手百貨店様の場合、新たなPOSの導入により大幅にCO2を削減する効果を得ることができました。認定を受けるための基準は、ソリューション導入前に比べ15%を超えるCO2を削減することがミニマムの条件ですが、これを大きくクリアする結果となっています。CO2削減などの環境負荷低減をどこからどう始めたらよいのかわからないというお客様には、この認定ソリューション事例はきっと役立つはずです。うれしいことに、社内の営業やお客様からの問い合わせがかなり増えています。環境問題に対しITが貢献できることが実証されてきているのです。」

山崎は環境活動をお客様にお話するうえで次のように心掛けていると語る。

「さまざまな考えかた、幅広いバックグランドをお持ちのお客様がいらっしゃいます。価値観が異なることや、すぐに意思疎通が図れないケースも多々あります。ですから、常にこれで正しいのだろうかと自問自答を繰り返して取り組んでいます。『私たちはこういう考え方で、こういう意図をもって、だからこう取り組んでいるのです』という自分たちの立場を意識的に、かつ明確に伝達することを心掛けています。」

強い意志とマインドが環境問題を解決する第一歩

環境活動の推進には、何よりも強い意志とマインドが必要だという。

「環境本部のマインドは極めて高く、他社にはない、斬新な、優れたサービスや技術、仕組みを開発することを使命と考えています。同時に社内に眠る環境に関する最新情報を吸い上げる活動も積極的に展開しています。」

「環境問題の解決には高い技術力とスピードが求められます。そして、グローバルな視点が要求されます。スキルの向上はもちろんのこと、アンテナも高く張り巡らせておかなければなりません。地球環境の異変スピードや課題の大きさに怯むことがないのは、全員が自主性を強くもって取り組んでいるからです。」

朽綱もマインドの重要性を強調した。

「環境への取り組みは強制しても駄目です。自発性こそ何よりも大切。自分との関係性が見えたときに、みずから気づき面白くなる。その面白さを掴んだら、行動に自主性が生まれ積極的になっていきます。自主性こそが一番重要なことではないでしょうか。」

環境活動は一人ひとりが主役

山崎誠也

山崎は自らのミッションを次のように説明する。

「富士通の環境活動を広く社会に発信し、社内の営業部門やグループ会社の活動を活性化するための支援活動をすることが私たちの役割です。情報発信により、企業の社会的責任を果たすほか、フロントが動きやすい環境を整備したり、モチベーションを上げるお手伝いをしています。たとえば、環境問題に関する国際動向や、法制度の改正の情報をタイミング良く提供するといったかたちでフロントを支援しています。」

朽網は環境活動がブランド力を備えなければならないと力説する。

「ハイブリッドカーを持つことが社会意識の高さを示すブランドとして定着し始めたように、『環境に配慮する日常生活はスマートだ』というムードが醸成されていくことが大切です。その風土が整えば環境活動は私たちの生活の中で当たり前になるでしょう。」

環境本部では社内にむけた活動スローガンを発表している。 『環境は「誰か」ではなく、「あなた」が主役です。』というのがそれだ。 一人ひとりが自主性をもった、いわば魂をもった活動にするためには、個人の意識をきちんと精緻化して、その後同じ方向へ導いていかなければならないと言う。とはいえ、全社的に意識を高めていくことの難しさを朽綱は語る。

「紙の使用量の削減やごみの分別は環境活動のベースですから、これができない人はパソコンの省エネ設計や環境配慮はできないでしょう。一方で使用量の削減とごみの分別さえしていれば良いと思っているエンジニアがいたら、それは本来の環境活動としては不十分です。自分ができること、あるいは自分しかできないことを問うことから自分の本来の役割が見えてくるはずです。一人ひとりが主役と言うことの意味はそういうことだと思います。」

「日本の技術の粋を集めて、環境問題に産官民が一体となって取り組んでいくことが大切です。そして地球規模で考えたとき、自分たちの足元だけを見るのではなく、自分たちのお客様や自社と関わりを持つすべての関係集団にまで配慮して環境負荷を削減することが重要です。富士通ではITがお客様の環境負荷を減らす可能性が高いことを検証してきました。今こそ声を大にして環境問題に対する富士通の考え方を強く発信していくことの重要性を感じています。私たちにはあらゆる業種、業態の環境負荷の削減に尽力できるITソリューションベンダーとしての技術と経験と実績があると考えています。」
朽網は、目先だけの問題ではなく、20年、30年先をも見据えた、富士通グループの環境に対する強い意志を語った。

2008年2月18日 公開


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