第1章 「アーカイブス」
社会の生産活動に由来する物質の濃度が、自然界で充分に低いこと
(システム条件2)
これは社会の中である物質を生産することによって、その物質が自然界に蓄積してゆくような質と量の生産をすべきではないということ。例えば長い間変化することのないプラスチックなどのようなものを合成して放置するようなこと。更には、富栄養化や酸性化を招く窒素化合物や、有毒な化学合成物質など。
【対策】
自然界にとって未知の長寿命物質は生産しない。超寿命化やリユースやリサイクルによって廃棄量を減らす。
(p.94-95 / 5・単純化を排したシンプル主義)
| 〔出典〕 | 『ナチュラル・ステップ─スウェーデンにおける人と企業の環境教育─』 カール= ヘンリク・ローベル著、市河俊男訳(新評論/1996年) The Natural Step Story: Seeding a Quiet Revolution Karl-Henrik Robert (1992) |
自然の循環と多様性を支える物理的基盤が守られていること
(システム条件3)
人為的に自然の状態を変えたり傷つけたりして自然の物質循環能力を損なわないこと。人間社会の拡大によって、森林伐採による土壌流失、砂漠化、農業用地の減少、生態系の多様性の喪失、生物種の絶滅などが起きるようなことがあってはならない。
【対策】
自然の活力をそがないよう、都市化にともなう道路、港湾、治水などのインフラストラクチャーの建設を極力控える。
(p.96-97 / 5・単純化を排したシンプル主義)
| 〔出典〕 | 『ナチュラル・ステップ─スウェーデンにおける人と企業の環境教育─』 カール= ヘンリク・ローベル著、市河俊男訳(新評論/1996 年) The Natural Step Story: Seeding a Quiet Revolution Karl-Henrik Robert (1992) |
効率的な資源利用と公正な資源分配が行われていること
(システム条件4)
資源は効率的に公平に利用する。富める地域と貧しい地域の間で不公平な資源配分は避けなければならない。
自然の生産能力を最大限に活用して食糧生産に振り向けたとした場合、地球環境が養える人の数は最大でも90億人と言われているが、食糧生産以外の資源・エネルギー消費も考慮すればキャパシティは更に低くなる。ちなみに、スウェーデンの車を全てバイオ燃料で走らせるとすると、今の農業用地の全てに匹敵する土地が必要となる。
つまり、実際には世界人口65億人の現状でも食べるのでカツカツのはずなのに、現実には一部の地域で様々な資源が大量に消費されていること自体、不公平な資源分配によって自然界の生産能力の不足を補っているということになる。
【対策】
工業先進国、資源の大量消費国が率先して資源消費に頼らない社会に向けての体質改善に着手する必要がある。
(p.97-99 / 5・単純化を排したシンプル主義)
| 〔出典〕 | 『ナチュラル・ステップ─スウェーデンにおける人と企業の環境教育─』 カール= ヘンリク・ローベル著、市河俊男訳(新評論/1996 年) The Natural Step Story: Seeding a Quiet Revolution Karl-Henrik Robert (1992) |
もしもデザインが生態学的要求にこたえうるものであるならば、それは革命的だ
ヴィクター・パパネック
『生きのびるためのデザイン』より
あらゆる組織-私的資本主義であれ国家社会主義であれ、あるいは両者の混合による経済組織であれ-は、われわれがいっそう多く買い、いっそう多く消費し、いっそう多く浪費し、いっそう多く投げ捨て、そしてその結果地球という救命いかだを破壊して行くのだ、という仮説の上に築かれている。もしもデザインが生態学的要求にこたえるものであるべきだとするならば、それは国民総生産(GNP)-それがいかに大きくても-への配慮から自由でなければならない。
(p.179 /10・人目をひくようなはでな浪費—デザインと環境)
| 〔出典〕 | 『生きのびるためのデザイン』 ヴィクター・パパネック著、阿部公正訳 (晶文社/1974年) Design for the Real World : Human Ecology and Social Change Victor Papanek |
エコデザインという言葉が選ばれたのは、この言葉が製品開発ではエコ ロジカルな要求とエコノミカルな要求との間の正しいバランスを見出す必要があるという意味を含んでいるからである。
国連環境計画(UNEP)
『エコデザイン』より
エコデザインは最終的にサステナブルな生産と消費のシステムにつながるものでなくてはならない。
(p.34 /第2章エコデザインの本質)
| 〔出典〕 | 『エコデザイン』 国連環境計画(UNEP)原本発行 永田勝也翻訳監修ミクニヤ環境システム研究所株式会社/2001年) |
エコデザインされていない工業製品は、工業製品と呼ぶに値しない
山本良一
『戦略環境経営エコデザイン』より
工業製品は、アートやクラフトと異なり、大量生産、大量供給を前提として開発されるものであり、地球環境へのインパクトが大きいのである。したがって、環境調和性は、製品が工業製品であるための必要条件である。
…
つまり、エコデザインされていない工業製品は、もはや工業製品と呼ぶに値しないということを認識しなければならない。
(p.39 / 2-4 インダストリアルデザイナーはエコデザイナーへ)
| 〔出典〕 | 『戦略環境経営エコデザイン』 山本良一著、益田文和+DMN エコデザイン研究会編 (ダイヤモンド社/1999 年) |
