第4章 「エコデザイン」
5. エコデザインによって低減すべき環境負荷
環境負荷のカテゴリー
これらのこれら負荷のカテゴリーは現実の、または今後起こりうる環境問題を含んでいる。それらは科学的なモデルやシミュレーションによって検証されている。

生物的災害
地球温暖化:
地球温暖化(気候変動)は化石燃料の燃焼、農業、工業活動による二酸化炭素の排出により気温が上昇することを言う。気温の上昇により、竜巻、砂漠化、熱帯病、氷河の溶融、海洋環境や海流の変化といった現象が生じる事が予測される。
オゾン層の破壊:
成層圏で起きているオゾン層の破壊は、CFCの放出によるものである。オゾン層の破壊により、北極点、南極点の上空でオゾンホールが確認されている。オゾンの減少により紫外線が直に地球に到達し、皮膚ガンなどの原因となっている。紫外線は植物の生産性を減少させ、藻や高山植物の生態系に支障をきたす。1992年のモントリオール条約では国際的に42種類のオゾン層を破壊する薬品の使用を禁じることとなった。
酸性雨:
酸性雨は化石燃料の燃焼から生じる酸性ガスが原因である。酸は地中に存在する、アルミニウムなどの金属を溶解し、植物や水生生物に害をもたらす。他にも酸性雨はセメントや鉱物を溶解する力がある。
水質の富栄養化:
富栄養化は水中に過剰な栄養素が存在することにより酸素の濃度が低下することをいう。下水と農業から生じる窒素とリンは、水系を汚染する。

健康危害
光化学スモッグ、大気汚染:
光化学スモッグは、窒素酸化物や揮発性有機物質が太陽光と反応し地表にオゾンを発生させるもの。他の大気汚染物質には塵粒、硫黄酸化物などがある。スモッグや大気汚染物質はぜんそくの原因となり、また植物の光合成を阻害する。
健康危害を与える物質:
発ガン性を持たない有害物質として、皮膚炎、成長抑制、ホルモンのかく乱を招く化学物質が考えられる。一過性の炎症から心身の障害や成長の妨げ、短期または長期にわたる障害から死にいたる症状まで想定される。
発ガン性物質:
発ガン性物質は恒常的なあるいは死にいたる障害を招く。突然変異誘発物質は遺伝的な突然変異をもたらす。ほとんどの発ガン性物質は突然変異誘発物質でもある。催奇物質は胎児の健全な発生を阻害する。

資源の枯渇
化石燃料:
現在の化石燃料(石油、天然ガス、石炭)の消費と二酸化炭素の排出は、自然が化石燃料を生成する数百万倍のスピードで行われている。
真水:
新鮮な地上水や地下水は使われた後、元の水質に戻すことは難しい。真水の確保は世界的に大きな問題となりつつある。
鉱物:
金属鉱石は合金に変換され、酸化または分解されリサイクルされないことが多い。
表土:
農業は、自然が表土を生成する速度を上回る速さで表土を浸食している。

6. 物質の毒性について
ある物質に毒性があるか無いかまたその影響は、その物性だけでなく使用する量や対象(ある生物には無害でも別の物にとっては有害という可能性)、環境(使用される状況、ライフサイクルの段階)などにより変化しうる。
たとえば「塩」。塩そのものは無害であり、地球上の生物にとって不可欠であるが、一方過剰な摂取は生物の存在を危うくする。
毒性を持っていても残留性が無い物質、毒性も残留性も生物濃縮性をも有する物質もあるということに注意したい。
毒性:
生物体の健康を蝕む、あるいは生命を奪う可能性を持つ性質をもつ物質。
残留性:
平均的な環境下において、安定した状態で長期間残留する性質。
生物濃縮性:
生物の細胞内に残留し、食物連鎖によって人間や肉食動物の体内に濃縮される性質。
毒性物質の例
金属類の内、鉛、水銀、カドミウム:
少量の存在でも生態系に影響を及ぼす。
ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素):
食塩の主成分である塩化ナトリウムは塩素の化合物であり、生態系に不可欠だが、多くのハロゲン系化合物は毒性を持つ。ダイオキシンやDDTに代表されるハロゲン系有機化合物の多くは生物濃縮性を持つ。
電気製品の毒性物質の例
PCB(変圧器、コンデンサー、蛍光灯に使用/日本では1972年に製造中止):
残留性、生物濃縮性を持つ。生殖異常誘因物質。
カドミウム(電池、着色剤に使用):
粉末吸引による気管障害誘因物質。溶解したカドミウムは少量であっても、生物に大きな被害を与えうる。
鉛(回路基板はんだ、電池、CRT):
中枢神経系および腎臓の機能障害誘因物質。
ベリリウム(回路基盤、ばね合金鋼):
発ガン性物質。
フタル酸エステル(高分子添加剤):
ホルモン障害誘因物質。
臭素系難燃剤:
発ガン性物質、生殖異常誘因物質。燃焼時ダイオキシン発生。
毒性がライフサイクルの段階で変化する例
ポリ塩化ビニル:
生産時:
発ガン性物質であるビニルモノマーが必要である。
廃棄時:
焼却時にダイオキシンが発生する。
添加剤:
可塑剤としてフタル酸エステル、安定剤として鉛が使用されることがある。
注)製品に含有する科学物質に関する情報は富士通「製品含有化学物質管理ガイドライン」他、社内情報を活用すること。
◎ 有害物質:http://eco.css.fujitsu.com/gproduct/index.html
