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人材育成

富士通グループは「人材育成」を最も重要な経営課題の1つと位置づけており、中でも「真のグローバルICTカンパニー」を担う人材の育成に力を入れています。

優秀な人材の獲得と維持

総務人事本部長 植栗 章夫の写真

総務人事本部長
植栗 章夫

富士通グループでは、「富士通のビジョン/事業戦略の実現に向けた人材戦略」を討議する場として専務以上をメンバーとする「全社人材戦略委員会」を設置しています。

次世代リーダー/グローバル人材育成、タレントマネジメント、環境変化に対応した教育プログラムのあり方などについて、海外人材も視野に入れた検討を行っています。

「優秀な人材を選抜」し、「実践を通じたアクションラーニング」と「修羅場経験(チャレンジングな配置)」を通じて成長の場を与えることを教育の柱としており、このプロセスをグローバルに一貫性を持って実行できるよう、各国ごとに異なった人事処遇制度のベースを統一する「グローバル人事基盤」の構築にも取り組んでいます。

また富士通では、社員一人ひとりの専門性を高め、変化に対応できる人材の育成を目指した評価制度を導入しています。高い目標へのチャレンジを支援する「成果評価」と、各人に求められる能力の定着度合いを評価し、中長期のキャリア形成を支援する「コンピテンシー評価」の2つの側面からの人事評価を実施しています。また、社員自らがキャリアの方向性を選択できる制度として社内募集制度やFA制度を設け、社員の継続的な意欲向上と人材配置の適正化を図っています。

グローバル・ビジネスリーダーの育成

富士通グループは1999年に人材育成機関「Global Knowledge Institute(GKI)」を設立し、「社会にとって善いこととは何か」という共通善(Common Good)を追求する、グローバルなビジネスリーダー育成プログラムを体系的に実施しています。次世代ビジネスリーダー候補者を対象に、集中的な知的鍛錬を実施しており、その修了者数は2012年度末現在で、累計918名(うち、海外人材は335名)に達しています。2012年度は、2つのプログラムにおいてそれぞれ下記の取り組みを推進しました。

  1. 海外拠点との連携強化による、次世代ビジネスリーダーの多様性促進
    将来の経営人材を育成するプログラム「GKI/Advanced Course」では、海外グループ会社からの受講者数を増やしました。過去最も多い受講者となったことで、様々なバックグラウンドを持つ将来のリーダーが、プログラムを通じて「共通善と富士通の役割」について幅広い視点で議論することが可能となりました。また、将来のリーダー層が地域の枠組みを超えた人的ネットワークで結びつくことで、富士通がビジネスを通じて共通善を実行する基盤を形成することができました。
  2. 継続的な育成によるビジネスリーダーの質と規模の拡充
    国内の若手マネージャークラスから選抜して実施する「GKI/Development course」は、「新たなビジネスの創出とビジネス構造の変革を牽引するリーダー」の育成を目的としています。2012年度においては、プログラムの一環として、ICT産業とは異なる分野での現場体験とアメリカ・シンガポールへの海外リサーチを実施し、プログラムの参加者は「ICTの力で社会やビジネスの課題を解決する」という大きなテーマを肌で感じ、理解することができました。

グローバルビジネスリーダー育成プログラム体系の図

グローバル人材の育成

富士通グループの成長戦略のポイントの1つは、グローバル化を加速し、「真のグローバルICTカンパニー」となることです。その戦略を担っていくグローバル人材を育成するため、「グローバル・ビジネスリーダー育成プログラム」のほかにも、下記の研修や制度などを設けています。

  1. リテラシーおよびマインド向上を目的とした語学やコミュニケーションの学習
    日本国内では、英語を中心とした語学力の向上に継続的に取り組んでいます。入社段階では、全員がTOEICスコアで600点の水準に到達することを目指して、集中的な語学訓練を行うだけでなく、語学学習の方法を学び、自己啓発による継続的な能力向上につなげています。加えて、語学スキルだけでなく異文化を受容するという考え方やコミュニケーション、マネジメント・スキルの向上を様々なトレーニングに取り入れています。また、日本人社員への研修だけでなく、日本で働く外国籍社員に対しても、語学力(日本語)の向上および生活支援のプログラムを整え、本人だけでなく上司など周囲のメンバーを含めて支援しています。
  2. 経験を通じた若手社員のグローバル人材化
    2008年度から、若手社員を2~5年間海外に派遣する海外ローテーション制度を設けています。また、2012年度は、グローバル・マインドセット、コミュニケーション能力開発、短期海外経験という3つのプログラムで構成される「グローバルコンピテンシー養成研修」を、20代の若手社員約50名を対象に実施しました。
    さらに、若手幹部社員を対象とした取り組みとして、2011年度から、直接的な経験や異文化との交流、現実の手本からグローバルリーダーシップを学ぶ「グローバル実践知リーダー育成プログラム」をスタートさせました。本プログラムは、本人のキャパシティを拡大させる「経験」を通じて、グローバルな舞台で戦える能力を「体得」することを目指し、3カ月の集中トレーニングと1年半の徒弟制度モデルをベースとして育成するものです。海外の社員も含め、2012年度は2011年度と同じく9名が参加しました。

なお、グローバル人材を育成する各種の施策づくりにあたっては、若手から経営幹部まで、また海外駐在の日本人社員や日本で働く外国籍社員なども含め、幅広い職種を対象とするよう意識しています。また、日本国内と海外各地域の連携、座学と経験の組み合わせなど、多様な観点・手法から検討しています。

ベースライン教育の強化 (人事制度と連携し、キャリア形成をサポート)

社員が目指すべき方向や身につけるべき能力などについては、幹部社員は「幹部社員の人材像」、一般社員は「コンピテンシーグレード要件書」を定め、これをベースとした昇格の仕組みを実施しています(2011年度導入)。社員は自己のキャリアを意識しながら、これらを日々の能力開発の指針として活用する一方、会社としてもベースライン教育として、これらの人事制度に基づいた人材育成プログラムを提供し、社員のキャリア形成をサポートしています。

2012年度においては、人事制度に基づき、それぞれの立場で期待される役割に応じた育成プログラムを提供するため、ベースライン教育の研修体系を全面的に見直しました。2013年度から、新体系に基づいた研修を順次開催していく予定です。

人材育成機関「FUJITSUユニバーシティ」

富士通グループは、2002年、富士通グループおよび業界をリードする高度人材を育成するために、人材育成機関「FUJITSUユニバーシティ」を設立しました。FUJITSUユニバーシティでは、高度人材の育成に向けて、次の4点を柱とした体系的な教育を実施しています。

  1. グローバルレベルのリーダーシップを発揮できる「ビジネスリーダーの育成」
  2. 企業理念を理解し、理念に基づいた行動ができる人材としての「ベースライン(全員が共有するバリュー、スキル)」の強化
  3. お客様に高い付加価値を提供できる「プロフェッショナル」人材の育成
  4. 多様な“個”を支援する「ワークライフデザイン支援」

今後も継続して、大学・外部教育機関や高度ICT人材育成を担うNPOなどと積極的に連携し、富士通グループのプレゼンスを高めていきます。

図解: FUJITSUユニバーシティ

教育プラットフォーム「FUJITSU NetCampus」

「FUJITSU NetCampus」は、海外を含む28カ国、201社のグループ会社の社員約17万名(2013年3月時点)にe-Learningを提供する教育プラットフォームであり、受講申込の受付や学習、テスト、アンケートなどの機能を備えています。各種施策を実施する際に全社への浸透を図る一斉e-Learningについても、このプラットフォームを使って実施しています。

2012年度は、国内向け5講座、海外向け3講座の全社一斉e-Learningを実施しました。2013年度も各施策(テーマ)の事務局と連携して、様々な講座を開講する予定です。

ものづくり教育の推進

富士通は 1958年に企業内職業訓練学校「富士通技術学院」を川崎工場内に設立し、ものづくりを支える人材育成に注力してきました。同学院は2007年に小山工場内に移転し、「職業能力開発促進法」に基づく認定職業訓練をベースに、富士通グループに必要な基礎学科と実技を加えた1年間の集合教育を実施しています。

このように、自社で教育訓練機関を有することで、ものづくり現場の急速な変化に対応できる生産現場オペレーター基幹要員の育成を可能にしています。2012年度は22名の基幹要員を輩出し、累計修了者は、2,775名となりました。

また、生産現場の長となる職長の教育を含め、階層別の教育体系を整備し、組織としてものづくりの現場を強化できるよう、研修内容の充実を図っています。

2012年度の活動トピックス

若手マネージャー向けプログラムGKI/Development course (GKI/D)

国内の若手マネージャークラスから選抜し、「新たなビジネスの創出とビジネス構造の変革を牽引するリーダー」を育成するためのプログラムが「GKI/D」です。

2012年度は、プログラムの一環として、「現場/顧客起点」を体得するため、農業や外食産業など、ICTとは異なる分野に予備知識のないまま飛び込む「現場体験」を実施しました。これにより、参加者は「ICTの力で社会やビジネスの課題を解決する」という大きなテーマを身を持って理解し、以降のアクションラーニングに取り組みました。

左:牡蠣養殖場での震災復興現場体験(南三陸町)の写真、右:地域活性策である農産物の栽培作業体験(長野県坂城町)の写真

若手社員向けプログラムGlobal Competency Development Program (GCDP)

20代の若手社員を対象に、異文化理解・適応力向上および英語によるコミュニケーション向上を目指したプログラムが「GCDP」です。2008年より開始し、2012年度下期で第6期目となりました。

プログラムは第1~3モジュールまであり、第1・2モジュールにおいては、「グローバルな視点でビジネスを考える基軸」を作るため、また「グローバルに通用するコミュニケーション力の基礎」を身に付けるため、国内で研修を行いました。第3モジュールでは第1・2モジュールで学んだことを実践するため、「海外実地体験」をアメリカ、インドで行い、現地に行くことでしか得られない体験をしました。

左:現地企業訪問(TATA motors)の写真、右:FCIPL(インド)の現地スタッフとの交流の写真

新入社員による被災地支援プログラム

陸前高田市における漁業支援(牡蠣の水揚げ)

陸前高田市における漁業支援(牡蠣の水揚げ)

2012年度の新入社員教育において、2011年度に引き続き、東日本大震災の被災地を支援するプログラムを実施しました。

復興支援の要望が継続している東北を対象地域とし、NPO法人神奈川災害ボランティアネットワークの協力を得て、9月~11月にかけて9回、延べ約300名の新入社員が活動に参加しました。岩手の沿岸部に近い被災地では、前半は主にがれき撤去に取り組み、後半からは農業や漁業の支援にも参加、終盤は漁業支援を中心に活動しました。