2002年度「環境会計」の実績について
平成15年4月25日
富士通グループでは、1998年度から環境保全に係わる費用と効果を定量的に把握し、環境投資と効果を評価する「環境会計制度」を導入しています。
このたび、第三者機関の審査を経て、2002年度分の実績を公表いたします。
環境会計制度導入の目的
- 情報開示による企業姿勢の表明(アニュアルレポート、環境報告書などへの記載)
- 長期的・継続的な環境対策
- 環境保全投資の効率化
- 環境保全活動の活性化
環境会計の基本事項
- 対象期間

- 2002年4月1日~2003年3月31日(但し2002年1月1日~12月31日を会計年度としている海外子会社についてはその期間を対象期間としています)
- 集計範囲

- 富士通及び国内外の連結子会社を対象として集計することとしていますが販売・ソフトサービス関連などの連結子会社では一部未集計の拠点もあり91社を対象として集計しています
但し、連結子会社の子会社(孫会社)は環境保全活動を親会社と一体として行なっている場合を除いて集計範囲に含めておりません
- 富士通及び国内外の連結子会社を対象として集計することとしていますが販売・ソフトサービス関連などの連結子会社では一部未集計の拠点もあり91社を対象として集計しています
- 環境保全コストの算定基準

- 減価償却費の集計方法:投資額の減価償却費は耐用年数5年の定額法(残存価値なし)により費用に含めています。また、耐用年数を5年とする根拠は環境設備の導入から修繕や改良を実施するまでの実質的な期間の平均値を採用しております
- 複合コストの計上基準:環境保全コストとそれ以外のコストが結合した複合コストは、環境省発行の「環境会計ガイドライン2002年版」に準拠して、環境保全に係わる部分だけを集計しています
- 環境保全対策に伴う経済効果の算定基準

- 対象とした効果の範囲:事業活動から産出する財・サービスの使用時における環境負荷の減少廃棄時の環境負荷減少を対象とした実質的効果および推定的効果(リスク回避効果および みなし効果)を対象としております
- 投資の効果の発現期間とその根拠:実質的効果の集計期間を投資の減価償却期間(5年)と整合させています
推定的効果については環境保全の寄与額や操業ロス回避額等、その年度内に完結するもの以外は効果の発現期間を12ヶ月としております。効果の集計の根拠は以下の通りです - 生産活動により得られる付加価値に対する環境保全活動の寄与額

- 効果額=付加価値×環境保全設備の維持運営コスト/総発生費用
(考え方)環境保全活動の生産活動への支援としての側面を効果として捉え、生産活動で得られる付加価値から、各拠点の環境保全維持運営費用割合から寄与額として算出しています
- 効果額=付加価値×環境保全設備の維持運営コスト/総発生費用
- 法規制不遵守による事業所操業ロス回避額

- 効果額=付加価値/稼働日数×操業ロス日数
(考え方)法規制に対する事前投資を怠ったことにより、リスクが発生したと仮定した場合の回避見積額としています操業ロス日数は、環境に関連した投資規模により決定しますが、最大でも3日としています
- 効果額=付加価値/稼働日数×操業ロス日数
- 広報活動効果額

- 効果額=新聞・雑誌の広告費用×記事掲載件数
(考え方)環境保全活動に関する新聞・雑誌への発表を広告費用に換算して算出しています
- 効果額=新聞・雑誌の広告費用×記事掲載件数
- 基本となる重要な事項の変更

- 準拠する環境省発行のガイドラインの変更に伴い、前年度まで社会的コストとして集計してきた「緑化の推進」「環境報告書作成」「環境広告」などのコストを管理活動コストとして集計しています。
- 上記に記載のコスト項目の変更に伴い、変更されたコスト項目に係わる効果項目(環境広報活動によるイメージアップ貢献額)も管理活動効果として集計しています。
- 研究開発効果として基礎研究に係わる効果額を新たに集計対象としています。
- 従業員への環境教育費用として、教育される従業員の人件費を新たに集計対象とすると伴に、環境教育効果の集計方法を教育時間を基に集計することとしました。
環境会計の概要
1. 環境会計の推移
環境費用と効果の推移(単位:億円)
| 分類 | 1998年度 | 1999年度 | 2000年度 | 2001年度 | 2002年度 | 2003年度 (予測) |
||||||
| 費用 | 効果 | 費用 | 効果 | 費用 | 効果 | 費用 | 効果 | 費用 | 効果 | 費用 | 効果 | |
| 富士通 | 80 | 97 | 85 | 103 | 82 | 111 | 77 | 123 | 79 | 88 | 83 | 120 |
| 主要子会社(以下、連結子会社) | 70 | 84 | 82 | 119 | 109 | 135 | 110 | 120 | 110 | 122 | 116 | 129 |
| 連結 | 150 | 181 | 167 | 222 | 191 | 246 | 187 | 243 | 189 | 210 | 199 | 249 |
2. 2002年度 環境会計実績
実績の内訳
表. 費用(単位:億円)
| 項目 | 範囲 | 富士通 | 連結会社 | 連結 | |
| 合計 | 79 | 110 | 189 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 事業エリア内コスト | 公害防止コスト | 大気汚染防止、水質汚濁防止(公共下水道料金)などのためのコスト | 30 | 31 | 61 |
| 地球環境保全コスト | 省エネルギー対策、温暖化防止などのためのコスト | 9 | 19 | 28 | |
| 資源循環コスト | 廃棄物減量化・処理などのためのコスト、節水・雨水利用など資源の効率的利用のためのコスト | 12 | 25 | 37 | |
| 上・下流コスト | 生産・サービス活動に伴って上流または下流で生じる環境負荷を抑制するためのコスト(廃製品・包装などのリサイクル・リユースおよびグリーン購入コストなど) | 2 | 7 | 9 | |
| 管理活動コスト | 管理活動における環境保全コスト(環境推進活動人件費、ISO14001認証取得・維持、環境負荷測定、緑化の推進、環境報告書作成、環境広告などコストなど) | 21 | 16 | 37 | |
| 研究開発・ソリューションビジネスコスト | 研究開発活動における環境保全コストおよび環境ソリューションビジネスに関わるコスト(グリーン製品・環境対応技術の設計・開発費コスト、環境関連ソリューションビジネスコスト) | 3 | 11 | 14 | |
| 社会活動コスト | 社会活動における環境保全コスト(環境保全を行う団体への寄付、支援などのコスト) | 0(注) | 0(注) | 0 | |
| 環境損傷対応コスト | 環境損傷に対応するコスト(土壌地下水汚染などの修復のコスト、環境保全に関わる補償金など) | 2 | 1 | 3 | |
(注) 集計数値が単位未満のため0と表示しています
表. 効果(単位:億円)
| 項目 | 範囲 | 富士通 | 連結会社 | 連結 | |
| 合計 | 88 | 122 | 210 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 事業エリア内効果 | 公害防止効果 | 法規制不遵守による事業所操業ロス回避額、生産活動により得られる付加価値に対する環境保全活動の寄与額 | 38 | 49 | 87 |
| 地球環境保全 効果 |
電力、油、ガスなどの使用量減に伴う費用削減額 | 16 | 10 | 26 | |
| 資源循環効果 | 廃棄物減量化、有効利用による削減額など | 14 | 42 | 56 | |
| 上・下流効果 | 廃製品リサイクルなどによる有価品・リユース品の売却額 | 0(注) | 10 | 10 | |
| 管理活動効果 | ISO14001構築による効率化、従業員などの社内教育効果、環境広報活動によるイメージアップ貢献額 | 4 | 4 | 8 | |
| 研究開発・ソリューション ビジネス効果 |
グリーン製品・環境配慮型製品、環境関連ソリューションビジネスの販売貢献額 | 10 | 5 | 15 | |
| 環境損傷対応効果 | 土壌、地下水汚染対策による住民補償などの回避額 | 6 | 2 | 8 | |
(注) 集計数値が単位未満のため0と表示しています
3. 実質的効果と推定的効果
表. 効果の内訳(単位:億円)
| 分類 | 実質的効果 | 推定的効果 | 効果合計 |
| 富士通 | 29 | 59 | 88 |
| 連結子会社 | 62 | 60 | 122 |
| 連結 | 91 | 119 | 210 |
4. 第三者審査(環境会計分)
株式会社 新日本環境品質研究所による、2002年度環境会計に係わる審査手続きが完了しましたので、この部分に関し公表致します。審査は試査により、入力された数値の根拠となるエビデンスの閲覧・審査及び担当者へのインタビューを通じて行われ、下記に示した拠点については、現地往査による現場確認も実施されました。審査は代表責任者を含めて10名の審査員により実施されました。主たる手続きは下記の通りです。
なお、環境負荷と環境費用の関係を示す改善指標と環境保全効果については、別途公表致します。また意見書の発行は6月に予定されております。
| 実施 年月 |
往査拠点 | 往査手続きの概要 | 往査人数 ・ 日数 |
| 2002年 12月 |
富士通 川崎工場 | 2002年度上期集計分に関する審査項目のサンプリングを実施 | 2.5人・日 |
| 2003年 1月 |
富士通 岩手工場 | 2002年度上期集計分データへの審査実施 拠点の概要確認 拠点の環境管理活動状況の確認 環境保全施設の状況確認 関連環境作業標準類の確認とデータ収集過程の審査 サンプリング項目のエビデンス審査 担当者インタビュー |
20人・日 |
| 新光電気工業 | |||
| 富士通周辺機 | |||
| 富士通宮城 エレクトロニクス |
|||
| 富士通 川崎工場 | 2002年度は現地往査を行わない拠点分の、2002年度上期分に関してサンプリングされた項目につきエビデンスを取り寄せ、審査を実施 | ||
| 2003年 2月 |
富士通 川崎工場 | 前月迄に審査された項目に基づき、2002年度上期分データを確定 | 4.5人・日 |
| 2003年 4月 |
富士通 川崎工場 | 2002年度下期集計分に関する審査項目のサンプリングを実施 | 29人・日 |
| 富士通 岩手工場 | 2002年度下期集計分データへの審査実施
|
||
| 新光電気工業 | |||
| 富士通宮城 エレクトロニクス |
|||
| 富士通周辺機 加古川事業所 |
2002年度下期集計分データへの審査実施
|
||
| 富士通 川崎工場 |
|
以上
