1999年「環境会計」の導入について
富士通は、環境保全に係わる費用と効果を定量的に把握し、環境投資と効果を評価する「環境会計制度」を1998年度分より導入を始めました。
「環境会計制度」は、米国環境保護庁や環境庁で環境コストの把握についてのガイドラインは公表されていますが、効果まで算出する基準はないため、当社独自の「環境会計ガイドライン」として定めました。
環境会計制度導入の目的
- 情報開示による企業姿勢の表明(アニュアルレポート、環境活動報告書等への記載)
- 長期的な視野による継続的な環境対策
- 効果的な環境投資への活用
当社の環境会計のポイント
- 富士通単独に加え、国内外主要子会社138社を含めて集計
- 費用の分類は、環境庁公表(1999年3月)の「環境保全コストの把握及び公表に関するガイドライン」に準拠
- 効果には、生産活動により得られる付加価値の内の環境保全活動による寄与分や、環境負荷低減による節減等も含む
- 環境会計ガイドラインを制定
- 第三者機関によるレビュー実施
環境会計の概要
1. 基本的な考え方
- 単独及び連結(海外含む)の把握
- 範囲を環境保全に止めず環境関連製品分野まで拡大
- 効果は、数値で把握し貨幣換算
2. 環境会計の推移
(1)費用対効果(単位:億円)
| 分類 | 1996年度 | 1997年度 | 1998年度 | 1999年度(予測) | ||||
| 費用 | 効果 | 費用 | 効果 | 費用 | 効果 | 費用 | 効果 | |
| 富士通 | 76 | 63 | 79 | 83 | 79 | 98 | 85 | 110 |
| 主要子会社 | -- | -- | -- | -- | 68 | 84 | 70 | 90 |
| 合計 | 76 | 63 | 79 | 83 | 147 | 182 | 155 | 200 |
(注意)1996年度、1997年度における富士通の費用と効果は、当センター保有の実績データをもとに、1998年度結果値より推定。
(2)設備投資(単位:億円)
| 分類 | 1997年度 | 1998年度 | 1999年度 | 2000年度(予測) |
| 富士通 | 21 | 13 | 12 | 15 |
| 主要子会社 | -- | -- | 21 | 20 |
(注意)主要子会社の1996年度、1997年度の設備投資額は、未集計。
3. 1998年度 環境会計実績
表. 費用(単位:億円)
| 項目 | 範囲 | 富士通 | 連結 会社 |
連結 |
| 合計 | 79 | 68 | 147 | |
| 直接的費用 | 生産活動を確保するための環境保全活動費用 | 42 | 36 | 78 |
| 間接的費用 | 環境推進活動費用(人件費)、ISO14001認証取得・維持費用 | 11 | 15 | 26 |
| 省エネルギー費用 | 省エネルギー対策費用 | 8 | 1 | 9 |
| リサイクル費用 | 製品の回収・再商品化費用 | 2 | 2 | 4 |
| 廃棄物処理費用 | 8 | 8 | 16 | |
| 研究・開発費用 | 環境配慮型製品・環境対応技術の開発費用 | 1 | 2 | 3 |
| 社会的取組費用 | 緑化推進、環境活動報告書作成、環境宣伝等の費用 | 2 | 3 | 5 |
| その他 環境関連費用 |
土壌汚染の修復、ダイオキシン対策等の環境リスク対応費用 | 5 | 1 | 6 |
表. 効果(単位:億円)
| 項目 | 範囲 | 富士通 | 連結 会社 |
連結 |
| 合計 | 98 | 84 | 182 | |
| 生産支援のための 環境保全活動 |
生産活動により得られる製品の付加価値の内、環境保全活動による寄与分 | 38 | 20 | 58 |
| 工場省エネルギー 活動 |
電力、油、ガス使用量減に伴う費用削減額 | 6 | 3 | 9 |
| リサイクル活動 | 廃製品リサイクルによる有価品・リユース品の売却額 | 5 | 33 | 38 |
| 廃棄物減量化によるコストダウン額 | 1 | 2 | 3 | |
| リスクマネジメント | 規制不遵守による事業所操業ロス回避額 | 18 | 14 | 32 |
| 地下水汚染対策による住民補償、保険費用の回避額と、ダイオキシン対策による焼却炉廃止に伴う差額効果 | 9 | 5 | 14 | |
| 環境ビジネス活動 | 環境ビジネス製品(化学物質環境安全データシート管理システム、環境常時監視システム等)販売貢献額 | 5 | 2 | 7 |
| 環境活動の効率化 | ペーパーレス効果、管理システム活用によるコストダウン額等 | 13 | 3 | 16 |
| 環境教育活動 | ISO14001構築コンサルタント、監査員教育等の社内教育効果額 | 3 | 2 | 5 |
費用と効果の算出基準
富士通独自の部分もあり、今後広く意見を聴取して見直しを行なっていきます。
(1)費用
- 工数、費用は、50%以上が「環境的」と判断したものを計上。
- 規設備投資は、5年定額償却にて費用計上。ただし、その他環境関連費用は、当該単年度のみ計上。
- 直接的費用には、環境対策設備投資の費用、環境対策設備の維持管理費及びオペレーター人件費を含む。
- 下水道処理費等の公共的支出や安全衛生に関する事項は除く。
(2)効果
- 効果は、年間に換算した金額を計上。
- 新規設備投資の効果は、3年間継続して計上。ただし、法規制遵守や緊急事態等の対応は、当該単年度のみ計上。
- 生産支援のための環境保全活動の効果は、生産活動により得られる製品の付加価値を、その事業所の環境保全活動の割合から寄与分として算出。
効果額=付加価値×工場環境費用/工場費用
付加価値=生産高-部品購入費
工場費用=設備償却費+人件費+経費 等 - 法規制不遵守による事業所操業ロス回避額は、リスクが発生したと仮定した場合のリスク回避見積額。
環境に関連した投資規模により、操業ロス日は最大3日とする。
回避額=(付加価値/稼動日数)×操業ロス日数 - 社内教育効果額は、外部委託した場合の費用で算出。
以上
